《70歳代の貯蓄事情》平均と中央値はいくら？【健康寿命】「男性72.57歳・女性75.45歳」平均寿命との差をグラフでチェック！【高齢者世帯】平均所得の3分の2を占める「公的年金」《平均所得・内訳》はいくら？

6. 【65歳以上・無職夫婦世帯】老後の「1ヶ月の生活費」はいくら？

65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支（2024年）

■うち社会保障給付（主に年金）：22万5182円

■うち消費支出：25万6521円

■うち非消費支出：3万356円

65歳以上の夫婦世帯の家計状況をみると、月間の平均収入は25万2818円で、その大半は公的年金などの社会保障給付が占めています。

一方、月々の支出は28万6877円にのぼり、うち消費支出が25万6521円、非消費支出（税金や社会保険料など）が3万356円です。

結果として、平均消費性向は115.3％となり、毎月の赤字額は3万4058円となっています。

この赤字分は、貯蓄を取り崩して生活費に充てている家庭が多いと考えられます。

老後も安定した生活を続けるには、支出の見直しや、体調に無理のない範囲で収入源を確保することも検討したいところです。

ここまで70歳代の貯蓄額について詳しく見てきました。

これを見ると平均値と中央値とでは大きな乖離があり、貯めている人と貯めていない人との差が大きいことが分かるかと思います。

とくに現役世代の方は、老後までに物価上昇や少子高齢化が続くと、より老後の生活に負担が生じる可能性が考えられますので、今のうちに将来を見据えて貯蓄しておく必要があるでしょう。

最近では、税制優遇制度の「新NISA」を活用した資産運用をはじめる人が増加傾向にあります。

ただし、資産運用は利益が期待できるだけではありません。価格変動リスクなどが伴うことを理解しておくことが大切です。

家計の状況やライフスタイルに合った方法で、老後に向けた資金対策について考えてみてはいかがでしょうか。

筒井亮鳳