2. 「後期高齢者医療制度の加入者」が受けられる給付12選
後期高齢者医療制度では、保険料が年金から差し引かれるケースが多く、その負担を重く感じている高齢者も少なくないかもしれません。
では、この制度では具体的にどのような給付を受けることができるのでしょうか。
ここでは、東京都後期高齢者医療広域連合の例を参考に、主な給付の種類を確認していきます。
2.1 1.療養の給付
まず基本となるのが、病気やけがで医療機関を受診した際に、保険証などを提示することで受けられる「療養の給付」です。
この給付により、医療費の自己負担は原則として1割から3割に抑えられます。
2.2 2.療養費
保険証などを提示せずに医療機関で診療を受けた場合、その場では医療費の全額をいったん自己負担しなければなりません。
その後、市区町村の窓口で申請を行い、広域連合で認められた範囲については、自己負担分を差し引いた金額が「療養費」として支給されます。
2.3 3.入院時食事療養費
被保険者が入院した際には、食事にかかる費用の一部を自己負担する必要があります。
このとき、標準負担額を除いた分については広域連合が負担する仕組みとなっており、これを「入院時食事療養費」と呼びます。
2.4 4.入院時生活療養費
被保険者が療養病床に入院した場合、食費や居住費の一部を自己負担することになりますが、そのうち標準負担額を除いた分については広域連合が負担します。
この給付は「入院時生活療養費」と呼ばれます。
なお、療養病床とは、長期的な療養や介護を必要とする人が入院するための病床を指します。
2.5 5.移送費
けがや病気などで自力での移動が難しくなり、医師の判断により一時的または緊急の必要があると認められて移送された場合には、「移送費」が支給されることがあります。
ただし、この給付を受けるには、広域連合が「緊急その他やむを得ない事情」と判断した場合に限られます。
なお、救急車による搬送は無料のため、移送費の対象には含まれません。
2.6 6.高額療養費
同じ月内(1日から末日まで)に支払った自己負担額が、所得に応じて定められた上限額を超えた場合、その超過分が「高額療養費」として後日支給されます。