2025年6月11日、三井住友信託銀行株式会社が設置している「三井住友トラスト・資産のミライ研究所」は勤労者の報酬の満足度と家計行動に関する分析の結果を公表しました。
今回の調査では、報酬に「満足」と感じている人の割合は全体で21.6%。一方で「不満」と感じている人は33.5%と、満足よりも不満が上回る結果となりました。
とはいえ、日常生活の中で他人の年収について知る機会はあまり多くありません。「みんなはどのくらいもらっているの?」という疑問は、多くの人に共通する関心ごとではないでしょうか。
今回は、この調査結果を踏まえつつ、国税庁のデータも参考にしながら、日本人の平均年収の実態について詳しく見ていきます。
1. 【報酬の満足度】「年収1000万円」を超えると満足度は横ばいに
三井住友信託銀行が設置している「三井住友トラスト・資産のミライ研究所」が実施した、勤労者の報酬満足度に関するアンケートの結果をご紹介します。調査概要は以下のとおりです。
《調査概要》
- (1)調査名:「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2025年)
- (2)調査対象:全国の18~69歳 ただし関連業種(金融、調査、マスコミ、広告)従事者を除く
- 本レポートでは、職業について、「会社員(一般社員)」「会社役員・経営者」「公務員」「みなし公務員」「団体職員」「パート・アルバイト」と回答した者を対象に分析
- (3)調査方法:WEBアンケート調査
- (4)調査時期:2025年1月
- (5)サンプルサイズ:7,609
- (6)備考:端数処理の関係上、割合については合計で100%とならない場合があります
- リリース公開日:2025年6月11日
2025年の春闘では、2年連続で5%台の賃上げが実現し、物価上昇率を上回る賃上げが進んでいます。
では、実際に働いている人たちは自分の報酬に満足しているのでしょうか。今回の調査では、報酬に「満足」と感じている人の割合は全体で21.6%。一方で「不満」と感じている人は33.5%と、満足よりも不満が上回る結果となっています。
年代別に見ると、18~29歳の若い世代では「満足」が「不満」を上回る傾向がありましたが、年齢が上がるにつれて満足度は徐々に低下(60歳代は例外的にやや上昇)。
また、年収別に見ると、年収が上がるほど満足度も高くなる傾向がありましたが、1000万円の層で満足度の上昇は頭打ちに。それ以上になると「とても満足」と感じる人は増えるものの、全体としての満足率は横ばいでした。
勤労者が「報酬に満足しているかどうか」は、単にお給料の金額だけで決まるわけではありません。人事評価の納得感や、日々の業務内容、など、さまざまな要素が影響していると考えられます。
こうした背景を踏まえると、自分の報酬が「多いのか少ないのか」を判断するには、他の人の収入と比べてみることも一つの参考になります。では、今の日本ではどれくらいの年収が「平均」なのでしょうか?次に、日本全体の平均年収について見ていきましょう。