それでもPayPayの100億円キャンペーンは大きな話題となっています。100億円キャンペーンをテコにソフトバンクは、一気にスマホ決済市場のシェアを取りに行く戦略でしょう。

その背景として考えられるのは、いまや世界の中でデジタル先進国となった中国では、決済市場を制し活用できる企業が、産業構造の上位に立つ時代が到来しています。

「タイムマシン経営」とも呼ばれることもありますが、先行事例をベンチマークし、サービス地域を変えての展開を得意とするといわれるソフトバンク孫社長にとって、PayPayによるスマホ決済市場での圧倒的なシェア確保は、新たな成長のために必要不可欠なパーツとなります。

ADSL市場でも競合が存在する中、ソフトバンクは販売力を背景に、一気に勝ち組に上り詰めました。PayPayもADSL同様、その資金力を背景に、一気にシェアを握ることになるのでしょうか。

国内の決済市場の勝者に注目

ソフトバンクがADSL事業に参入したのは2001年。

既に17年近い時間経過しています。当時の携帯電話J-PhoneがVodafoneとなり、そしてソフトバンクとなる歴史を当時は誰が予想していたでしょうか。

そうした歴史に照らし合わせてみると、決済市場の未来予想図を考えるにあたり、PayPayが今後どのような地位を占めることになるのか、大きな注目が集まります。

PayPayはソフトバンクにとってのADSLの再来となるのか、今後PayPayの動向は非常に興味深いと言えるのではないでしょうか。

石井 僚一