通信業界ではADSLより一歩先の光回線時代を見据えていた2000年代初頭、光回線普及までは我慢が必要と、多くの業界関係者やユーザーが思っていました。
そこに、既存のインフラで高速インターネットが実現できるADSLにソフトバンクが参入を表明。
ソフトバンクはモデムを無料配布するだけではなく、家電量販店はもちろん、人が集まる場所であれば簡易店舗を出してまでモデムを配布するという積極的なプロモーションを行い、ソフトバンクが展開するADSL「ヤフーBB」は一気にブロードバンド市場を席巻しました。
ヤフーBBのADSLモデムを各所で配布している姿は、多くの方の印象に今も残っているのではないでしょうか。
ソフトバンクにとって、大きな賭けとなったADSL事業の参入でしたが、その賭けは大成功を収めます。
ソフトバンクはボーダフォンの日本法人の買収をへて携帯電話会社に飛躍を遂げます。振り返ってみれば、ADSL事業の成功が、現在までのソフトバンクの成長の礎を築くことになりました。
中国では決済情報を握る企業が産業構造の上位に立つ時代
SNSが普及した現状、PayPayの販売促進活動は2000年代初頭のヤフーBBのADSLの販売促進活動に比べると、個人的にはやや大人しい印象も受けます。