2025年6月13日に成立した「年金制度改正法」は、働くシニア層にも影響のある内容が盛り込まれています。
近年、60歳以上で仕事を続ける人が増えており、最新の内閣府調査では4割を超える結果に。こうした傾向を受けて、パートなどの短時間勤務者でも社会保険に加入しやすくなる法改正が進んでいます。
今回は内閣府の調査結果と年金制度改正のポイントをもとに、今後の働き方や制度変更の影響について解説します。

※本記事で引用している「収入のある仕事」とは、内閣府調査における自己申告ベースのデータです。労働力調査などで用いられる「就業者」とは定義が異なる場合があります。

1. 【60歳以上の約4割超】働き続けるシニア層

「現在、60歳以上のシニア層はどのくらい仕事をしているのでしょうか?」

全国の60歳以上の男女を対象にした内閣府の「高齢者の経済生活に関する調査」(今回調査)をみていきましょう。

1.1 【60歳以上の約4割超】収入のある仕事をしている

収入を伴う仕事をしている人の割合(前回調査との比較)

収入を伴う仕事をしている人の割合(前回調査との比較)

出所:内閣府「令和7年版高齢社会白書・高齢者の経済生活に関する調査」

【令和6年度】(今回調査)

  • 収入のある仕事をしている:42.7%
    →定期的に収入を伴う仕事をしている:35.9%
    →不定期ではあるが収入を伴う仕事をしている:6.9%

【令和元年度】(前回調査)

  • 収入のある仕事をしている:37.3%

令和6年度の今回行われた調査では、収入を伴う仕事をしている人の割合が42.7%と、前回調査の37.3%から増加している。この増加は、とりわけ「現在、定期的に収入を伴う仕事をしている」人の割合が増加していることによるものと考えられます。