2. 【年金制度改正法】働くシニア層にどのような影響がある?

2025年6月13日に成立した「年金制度改正法」には、パートなどで働く人の社会保険加入対象の拡大が盛り込まれました。いわゆる「106万円の壁」の撤廃に繋がる大きな動きになります。

2.1 【厚生年金に新たに加入する】短時間労働者の増加

年金制度改正 社会保険加入対象の拡大

年金制度改正 社会保険加入対象の拡大

出所:厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」

2025年6月現在、パートなどの短時間労働者が社会保険に加入するには、週20時間以上働くことや月収8万8000円以上など、5つの要件をすべて満たす必要があります。今回の改正では、このうち「賃金要件」と「企業規模要件」が撤廃されることになりました。これにより、いわゆる「106万円の壁」も今後3年以内に廃止される予定です。さらに、企業規模に関係なく社会保険に加入する制度も、今後10年かけて段階的に拡大されていきます。

なお、加入対象が拡大する一方で、厚生年金には年齢制限(原則70歳まで)がある点にも注意が必要です。70歳以降に働いていても、原則として厚生年金の被保険者にはなれません。ただし、老齢年金の受給資格を満たしていない場合は、任意で加入することもできます(高齢任意加入)。