厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、65歳以上の方がいる世帯の世帯構造をみると、「単独世帯」が903万1000世帯(65歳以上の者のいる世帯の32.7%)で最多となり、「夫婦のみの世帯」は878万6000世帯(同 1.8%)となりました(2025年7月4日公表)。

1986年~1998年までは三世代世帯が、2001~2023年までの調査では夫婦のみ世帯が最多でしたが、2024年で単独世帯が最多となっており、時代の変化を感じるでしょう。

ひとりで過ごす生き方を選択する方も増えていますが、特に老後となると心配なのがお金です。

現代のおひとりさまシニアのお金事情をみていきましょう。

1. 【最新】65歳以上の世帯「おひとりさま」が夫婦世帯を超えて最多へ

まずは厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」より、65歳以上の方がいる世帯の世帯構造をみていきます。

先ほどご紹介したように、高齢者の世帯構造は「三世代世帯→夫婦世帯→単独世帯」と時代にあわせて変化しています。

単独世帯を男女別にみると、男性は36.0%、女性は64.0%。

男性に比べて平均寿命が高い女性はより老後について早くから考えて備える必要があるでしょう。

2. 老後のおひとりさまの「月の生活費」は約16万円

おひとりさまが不安になる一つに老後のお金があります。

現代シニアはどれくらいかかり、また生活費で赤字は出るのでしょうか。

総務省統計局が公表した「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」によれば、65歳以上かつリタイア後のおひとりさまの生活費は16万1933円でした。

この16万円は、消費支出に非消費支出を加えたものです。

消費支出の内訳は、以下のとおりです。

  • 食料:4万2085円
  • 住居:1万2693円
  • 光熱・水道:1万4490円
  • 家具・家具用品:6596円
  • 被服及び履物:3385円
  • 保健医療:8640円
  • 交通・通信:1万49358円
  • 教育・教育娯楽:5492円
  • その他の消費支出:3万956円(主にうち諸雑費:1万3409円、うち交際費:1万6460円、うち仕送り金:1059円)

※諸雑費以下はその他の主な消費支出の内訳

気になるポイントは、住居費でしょうか。持ち家であれば1万円台も可能かもしれませんが、賃貸だとかなり難しいと考えられます。

老後も賃貸を予定している場合は、支出が増えることを想定して過ごしたほうがいいかもしれません。

同調査によれば、収入は13万4116円で、2万7817円の赤字となっています。ちなみに収入のうち、年金は12万1629円が平均でした。

3. 【厚生年金と国民年金】厚生労働省がもらえる年金月額の例を公表

厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」では、ライフコースに応じて年金額の例を公開しています。

たとえば、厚生年金期間中心(20年以上)の男性なら、月額17万3457円です(平均収入50万9000円、平均厚生年金期間39.8年)。

厚生年金期間中心(20年以上)の女性なら、月額13万2117円です(平均収入35万6000円、平均厚生年金期間33.4年)。

あくまでモデルケースですが参考になるでしょう。

特に厚生年金は加入期間だけでなく、収入に応じて納めた保険料により将来の年金額に個人差がみられるので、ねんきんネットで年金見込み額を確認するとよいでしょう。

4. 【おひとりさま】老後の平均貯蓄額はいくら?増やす方法はあるの?

最後に老後の貯蓄額について確認していきます。

4.1 65歳以上の貯蓄額は?

J-FLEC 金融経済教育推進機構の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](2024年)」を参考に貯蓄額を見ていきます。

  • 60歳代:平均値1679万円・中央値350万円
  • 70歳代:平均値1634万円・中央値475万円

60歳代と70歳代では平均値はそれほど大きく変わりませんが、中央値が増えています。

ただ、平均は1600万円台ですが、中央値は500万円未満となっており、貯蓄が思うようにできていない方もいるでしょう。

生活費の赤字や旅行やレジャー、また病気の際など貯蓄を用意しておきたいもの。以下の方法で早くから貯蓄を見なおすとよいでしょう。

4.2 貯蓄を増やす方法

  • 生活費の見直し
  • 収入を増やす(副業・転職など)
  • 資産運用

いずれもよく見聞きする方法かもしれませんが、貯蓄を増やすためには重要です。

どれから手をつけるか悩む場合は、生活費の見直し、特に固定費から着手しましょう。

支出を減らすことにデメリットはほとんどないはずです。もちろん、過度な節約などは控えたほうがいいですが、無駄遣いが減れば貯蓄に回すお金も増やせます。

また、副業・転職・資産運用は、副業は会社によって可能かが異なりますし、いずれも特有のリスクがあります。

まずは情報収集を重ねて、自身に合った収入や貯蓄を増やす方法を考えてみるといいでしょう。

参考資料