株式会社ベター・プレイスは、10月17日の「貯蓄の日」を前に、全国の20~50歳代の働く男女を対象に「貯蓄と借入れに関するアンケート」を2025年9月に実施しました。

調査の結果、現在「貯蓄がある」と答えた人は全体の75.9%にのぼり、およそ4人に3人が何らかの形で貯蓄をしていることがわかりました。

また、貯蓄がある人に毎月の平均貯蓄額を尋ねたところ、最も多かったのは「5万円以上~10万円未満」(18.7%)。次いで「1万円以上~3万円未満」(16.3%)、「3万円以上~5万円未満」(15.2%)という結果でした。

収入やライフステージによって差はありますが、多くの人が「少しずつでも貯める」意識を持っていることがうかがえます。

一方で、2024年に制度が刷新された「新NISA」も、資産形成の手段として注目を集めています。スタートから1年以上が経ち、すでに運用を始めた方もいれば、「そろそろ始めてみようかな」と考えている人も少なくありません。

ただ、最近の相場変動を受けて「始めたばかりで不安を感じている」という声も聞かれます。

そこで今回は、改めて新NISAの仕組みと運用のポイントを整理し、今後の資産形成にどう活かせるのかをわかりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください。

1. 新NISAを活用すると「利益・配当に課される税金」が非課税になる?

NISA(ニーサ)は、2014年に資産形成を後押しする目的で導入され、2024年からは「新NISA」として制度が拡充されました。

最大の特徴は、投資による利益や配当に課される税金が非課税となる点です。

通常であれば約20%の税金が差し引かれますが、新NISAを活用すればその負担がなく、得た利益をそのまま手にすることができます。

新NISA「非課税」のしくみ2/5

新NISA「非課税」のしくみ

出所:金融庁「NISAを知る」

ただし、NISAには投資できる金額や対象となる商品に制限があるため、利用する際にはあらかじめ内容を理解しておくことが大切です。

1.1 「新NISA」の特徴を知っておこう!重要な6つのポイントとは?

「新NISA」の主なポイントは以下のとおりです。
 

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴3/5

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴

出所:金融庁「NISAを知る」

  1. 非課税保有期間は無期限
  2. 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能
  3. 年間投資枠は、つみたて投資枠「年間120万円」・成長投資枠「年間240万円」
  4. 非課税保有限度額は1800万円(内、成長投資枠1200万円)※枠の再利用可能
  5. つみたて投資枠の投資対象商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」
  6. 成長投資枠の対象商品は「上場株式・投資信託等」

「投資」と聞くと多額の資金が必要だと思われがちですが、実際には500円や1000円といった小額から始められる商品も増えています。

新NISAを利用すれば、株式や投資信託などにも少額から取り組むことができます。

次章では、毎月コツコツと積立投資を行った場合、将来どの程度の資産を築けるのかシミュレーションしてみましょう。

2. 【利回り別で試算】15年間「毎月5万円」を積立投資したケース例

本章では、新NISAを利用して積立投資を行った場合、どの程度の資産形成が可能となるかを、想定利回り1%から5%の範囲でシミュレーションしていきます。

前提条件は以下のとおりです。

  • 50歳から65歳までの15年間で老後資金をつくる
  • 積立額は毎月5万円
  • 投資信託は「安定的な運用」を重視した1~5%の商品

シミュレーションの結果は、以下のようになりました。

【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果4/5

【新NISA】運用利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

2.1 「毎月5万円×15年×年1~5%」で資産はいくらになる?

想定利回り:資産評価額(元本部分は900万円)

  • 年1%:970万6000円
  • 年2%:1048万6000円
  • 年3%:1134万9000円
  • 年4%:1230万5000円
  • 年5%:1336万4000円

15年間にわたり毎月5万円を積み立てると、最終的に1000万円を超える資産形成が期待できます。

積立元本は合計900万円となりますが、運用成績によってはおよそ70万円から436万円のリターンが上乗せされる可能性があります。

ただし、投資には必ずリスクが伴い、高いリターンを狙える商品ほどリスクも大きくなる点を十分に理解しておくことが重要です。

3. 【積立額別で試算】50歳から65歳までに「2000万円」を作りたいケース例

老後資金の目標額は家庭の状況によって異なりますが、仮に2000万円を準備する場合を想定し、50歳から65歳までの15年間で毎月どれだけ積み立てればよいのかをシミュレーションしてみます。

なお、ここでは、年利3%で投資信託を運用したケースを前提に、その結果を紹介します。

【新NISA】積立金額別「想定利回り3%」積立投資シミュレーション結果5/5

【新NISA】積立金額別「運用利回り3%」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

3.1 「15年間×3%×1〜12万円」で資産はいくらになる?

毎月の積立金額:資産評価額

  • 1万円:227万円
  • 3万円:680万9000円
  • 6万円:1361万8000円
  • 9万円:2042万8000円
  • 12万円:2723万7000円

※想定利回り:年3%

シミュレーションの結果、年利3%で15年間運用した場合には、毎月およそ9万円を積み立てることで「2000万円以上」の資産形成が可能であることが示されました。

とはいえ、月9万円という金額は決して負担が小さいとはいえず、さらに利回りも保証されていないため、想定どおりの成果が得られないリスクがある点には注意が必要です。

老後資金の準備においては、できるだけ早く積立を始めることが非常に重要です。

20歳代や30歳代からのスタートは早すぎるどころかむしろ有利といえます。

たとえば、年利3%で30歳から65歳までの35年間積み立てを続けた場合、2000万円を目指すために必要な毎月の積立額は約2万7000円に抑えられます。

このように、積立期間を長く確保することで月々の負担を軽減しつつ、効率的に資産を形成できるのです。

4. 「長期・積立・分散」を意識した資産運用を

ここまで、新NISAの仕組みや活用のポイントについて見てきました。

運用を始めたばかりの方も、すでに実践している方も、今回の内容が基本を見直すきっかけになったのではないでしょうか。

投資にはリスクがつきものですが、「長期・積立・分散」の3つを意識することで、そのリスクを抑えながら着実に資産を育てることが期待できます。

特に相場が不安定な時こそ、焦らずこの基本を守ることが大切です。

これからの運用方針を考える際や、自分の資産状況を見直すタイミングで、ぜひ今回のポイントを思い出してみてください。

参考資料