3. 【積立額別で試算】50歳から65歳までに「2000万円」を作りたいケース例
老後資金の目標額は家庭の状況によって異なりますが、仮に2000万円を準備する場合を想定し、50歳から65歳までの15年間で毎月どれだけ積み立てればよいのかをシミュレーションしてみます。
なお、ここでは、年利3%で投資信託を運用したケースを前提に、その結果を紹介します。
3.1 「15年間×3%×1〜12万円」で資産はいくらになる?
毎月の積立金額:資産評価額
- 1万円:227万円
- 3万円:680万9000円
- 6万円:1361万8000円
- 9万円:2042万8000円
- 12万円:2723万7000円
※想定利回り:年3%
シミュレーションの結果、年利3%で15年間運用した場合には、毎月およそ9万円を積み立てることで「2000万円以上」の資産形成が可能であることが示されました。
とはいえ、月9万円という金額は決して負担が小さいとはいえず、さらに利回りも保証されていないため、想定どおりの成果が得られないリスクがある点には注意が必要です。
老後資金の準備においては、できるだけ早く積立を始めることが非常に重要です。
20歳代や30歳代からのスタートは早すぎるどころかむしろ有利といえます。
たとえば、年利3%で30歳から65歳までの35年間積み立てを続けた場合、2000万円を目指すために必要な毎月の積立額は約2万7000円に抑えられます。
このように、積立期間を長く確保することで月々の負担を軽減しつつ、効率的に資産を形成できるのです。
4. 「長期・積立・分散」を意識した資産運用を
ここまで、新NISAの仕組みや活用のポイントについて見てきました。
運用を始めたばかりの方も、すでに実践している方も、今回の内容が基本を見直すきっかけになったのではないでしょうか。
投資にはリスクがつきものですが、「長期・積立・分散」の3つを意識することで、そのリスクを抑えながら着実に資産を育てることが期待できます。
特に相場が不安定な時こそ、焦らずこの基本を守ることが大切です。
これからの運用方針を考える際や、自分の資産状況を見直すタイミングで、ぜひ今回のポイントを思い出してみてください。
参考資料
- 金融庁「NISAを知る」
- 金融庁「つみたてシミュレーター」
- 株式会社400F「オカネコ 新NISAの利用意向調査 2025年1月」
- 株式会社ベター・プレイス「【10月17日は「貯蓄の日」 貯蓄と借入れに関するアンケート調査結果】4人に3人は貯蓄あり、毎月の平均貯蓄額は5~10万円が最多。4人に1人は借入れありと回答」(PRTIMES)
菅原 美優