2025年6月20日、総務省統計局は「2020年基準 消費者物価指数 全国2025年(令和7年)5月分(2025年6月20日公表)」を公表し、総合指数は前年同月比で3.5%上昇、111.8となりました。
一方で、2025年度の年金額は前年比1.9%の引上げにとどまりました。
物価上昇のペースに比べて年金額の上昇幅が小さいため、実質的には増えた実感が乏しいと感じる人もいるのではないでしょうか。
本記事では、公的年金のしくみと60歳代から80歳代までの平均年金月額の実態を紹介します。
1. 国民年金と厚生年金のしくみ
日本の公的年金制度は「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」による2階建て構造になっています。
1.1 1階部分「国民年金」
- 加入者:日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が原則加入
- 保険料:全国一律
- 受給額:保険料を40年間欠かさず収めれば満額
国民年金は毎年度見直されます。
1.2 2階部分「厚生年金」
- 加入者:会社員・公務員・パート(労働条件を満たした場合)など
- 保険料:収入に応じて決まり、労使折半(上限あり)
- 受給額:加入期間と報酬額に応じて個人差あり(国民年金に上乗せ)