2. 【貯蓄を比較】50歳代・60歳代・70歳代の平均貯蓄額はいくら?
金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」によると、50歳代〜70歳代・二人以上世帯の「平均貯蓄額」は下記のとおりです。
【二人以上世帯】50歳代・60歳代・70歳代の「平均貯蓄額(平均・中央値)」
- 50歳代:平均値1168万円・中央値250万円
- 60歳代:平均値2033万円・中央値650万円
- 70歳代:平均値1923万円・中央値800万円
50歳代〜70歳代の平均貯蓄額のデータを見ると、1000万円台となっており、多くの世帯が堅実に貯蓄をしているように見えるかもしれません。
しかし、平均値は一部の高額な貯蓄を持つ層によって引き上げられるため、実態とは乖離が生じることが多いです。
一方で、中央値はより現実的な水準を示しており、50歳代〜70歳代全てで1000万円未満となっています。
さらに、平均値と中央値の開きが大きいことから、貯蓄額には大きな個人差や格差が存在していることもわかります。
では、老後を迎えている70歳代では「貯蓄が全くない世帯」と「貯蓄2000万円以上の世帯」はどのくらい存在するのでしょうか。
2.1 【70歳代の貯蓄割合】現代シニアのリアルな貯蓄事情を確認
金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」によると、70歳代・二人以上世帯の貯蓄割合は下記のとおりです。
- 金融資産非保有:20.8%
- 100万円未満:5.4%
- 100~200万円未満:4.9%
- 200~300万円未満:3.4%
- 300~400万円未満:3.7%
- 400~500万円未満:2.3%
- 500~700万円未満:4.9%
- 700~1000万円未満:6.4%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:8.9%
- 3000万円以上:19%
- 無回答:3.5%
70歳代の多くはすでに老後生活を始めていると考えられますが、上記のデータから約2割の世帯が貯蓄ゼロの状態で老後を迎えていることが分かります。
また、貯蓄2000万円以上を保有している世帯の割合は約2割であり、貯蓄がない世帯と一定の貯蓄を持つ世帯との間で二極化が進んでいる実態が見て取れます。
なお、前章で紹介したように、1000万円以上の貯蓄を持っているにもかかわらず、「不安」を感じる人が多いのは、単なる心理的な懸念ではなく、実際の生活費の上昇を見越した現実的な心配が背景にあると考えられます。
現在、低年金や物価の高騰が問題視されており、「老後5000万円問題」という新たな課題に直面している状況です。
とはいえ、すべての世帯において必ずしも老後までに「2000万円」や「5000万円」という金額が必要というわけではなく、目標額に囚われる必要はありません。
重要なのは、「自分の生活スタイルに合った資金計画を設計」することです。
では、老後に向けて準備すべき資金として、どのような方法が効果的なのでしょうか。