3. 税額控除関連の節税対策2つ
税額控除は、所得金額から計算された税額から、直接税負担を減らせる制度です。次に、代表的な税額控除制度を紹介していきます。
3.1 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)
住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合、最長13年間にわたり税額控除を受けられます。住宅の省エネ性能などによって控除額が異なり、2025年現在は条件を満たすことで最大で年間35万円の控除が可能です。
初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は会社員であれば書類を提出することで年末調整で手続きできます。控除を最大限活用するには、住宅の性能や購入時期を考慮した計画が重要です。
3.2 ふるさと納税
地方自治体に寄付をすると、2000円を超える部分が住民税額から控除できる制度です。さらに返礼品も受け取れるため、楽しみながらできる節税手段として人気があります。
控除上限額は年収や家族構成によって異なります。原則として確定申告による申請ですが、5自治体以内の場合であればワンストップ特例制度を利用することで確定申告せずに控除を受けられます。
4. おわりに
本記事では、物価高騰が続くなか、家計を守るために役立つ具体的な節税対策を多数ご紹介しました。所得控除や税額控除といった制度は、知っているか知らないか、そして活用するかしないかで、手取り額に大きな差が生まれる可能性があります。
今回取り上げた特定支出控除、医療費控除、iDeCo、住宅ローン控除、ふるさと納税などは、住民税非課税世帯「以外」の会社員や年金受給者の方々も幅広く活用できるものです。申請することで初めてメリットを享受できる制度も少なくありません。
まずはご自身やご家族の状況と照らし合わせ、どの制度が利用できそうか確認することから始めてみてください。確定申告が必要なものもありますので、早めに情報を集め、準備を進めることが大切です。
厳しい経済状況ではありますが、正しい知識を身につけ、賢く制度を活用することで、少しでも負担を軽減し、より豊かな生活を送るための一助となれば幸いです。
※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。
参考資料
- 総務省「2020年基準消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)4月分」
- 国税庁「給与所得者の特定支出控除について」
- 国税庁「No.1132 セルフメディケーション税制の対象となる特定一般用医薬品等購入費」
- 厚生労働省「iDecoの概要」
- 国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」
- 総務省「ふるさと納税のしくみ」
斎藤 彩菜