2025年5月23日に総務省が公表した「2020年基準消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)4月分」によると、4月における消費者物価指数は、2020年比で約111%に上昇しています。物価の高騰が続くことで、家計への負担が大きくなっています。

物価の上昇と合わせて収入が増えても、税金も比例して上がるため、手取り額が思ったほど増えないと感じる方も少なくないでしょう。

所得税や住民税は、年間の収入から各種控除を差し引いた「所得金額」を基に計算されます。この計算過程で適用される「所得控除」や、算出された税額から直接差し引ける「税額控除」の制度を理解し活用することで、納税額の軽減が期待できます。

この記事では、一般的な会社員や年金受給者も活用できる、実用的な節税対策をご紹介します。該当をしていても、確定申告をしなければ税金が戻ってこないものも多くあります。

厳しい経済状況の中でも家計を守るための具体的な方法として、ぜひ参考にしてください。

1. 節税とは

節税とは、税金の計算のもとになる所得金額を減らしたり、算出された税金そのものを減らしたりすることで、法律で認められた範囲で税負担を軽くすることです。

この節税に役立つのが「所得控除」と「税額控除」という2つの仕組みです。

  • 所得控除:収入から所得金額を計算する際に、差し引くことができる控除です。所得金額が小さくなることで、結果的に税額も少なくなります。
  • 税額控除:計算された税額から、直接差し引くことができる控除です。

どちらも大切な節税手段ですが、税額控除は支払うべき税金から直接引かれるため、所得控除よりも節税効果をより大きく実感しやすいのが特徴です。

この記事では、個人の節税対策として、これらの所得控除と税額控除について、具体的に解説していきます。