11月21日11時時点で、ドル円は157円台半ばを推移しています。「そろそろ為替介入では?」と感じる人も増えてきたのではないでしょうか。
過去には大きく円安が進んだ局面で介入が行われています。たとえば2022年10月には152円前後まで下落したタイミングで、2024年4月には160円台に乗せた直後に、いずれも数千億円規模のドル売り・円買い介入が実施され、相場は急反転しました。
日本は、食料やエネルギー、原材料などの多くを海外に頼る輸入大国です。「円安」は物価上昇につながるため見過ごせません。
この記事では、これまでのドル円相場を振り返ったあとに、円安がわたしたちの生活にどんな変化をもたらすのかをわかりやすく解説します。
1. 「為替介入」とは?
為替介入とは、国が為替市場に直接資金を投じ、通貨の売買を行うことを指します。
日本では、財務大臣の権限に基づき、日本銀行がその実務を担います。
なお、高市内閣における財務大臣は片山さつき氏です。
1.1 為替介入の仕組み(円高是正・円安是正)
現在、市場で懸念されているのは、「円安を是正する為替介入」です。
《円安是正介入》
- 介入の目的:円の価値を引き上げる(円安進行を食い止める)
- 介入の内容:円を買い、外貨を売る
- 市場への影響:市場のドル供給が増え、円の需要が増すため、為替が「円高」方向に動く
為替介入はサプライズ的に行われるため「そろそろかな?」という予想はできても、実際に実行されるかどうか、そしてどのタイミングで、どの程度の規模で実行されるかは分かりません。
また、為替介入による是正は短期的に効果はあるものの、ファンダメンタルズが変わらない限り、その効果は「一時的」なものに終わる可能性が高いとされています。
次章では過去のドル円相場を振り返ってみましょう。
