もうすぐ65歳になる人には、日本年金機構から「年金請求書」が送られてきます。まだ、手元に届いていない人は、誕生日の3か月前に届くので、気に留めておくといいでしょう。
年金は自動で受給できるものではないので、「年金請求書」が届いたら、手続きをする必要があります。本記事では、年金請求書の手続きの方法をわかりやすく解説します。さらに、年金がいくら受給できるのか確認方法もご紹介します。
1. 年金請求書が届いたら
65歳から老齢基礎年金、老齢厚生年金が受給できる人には、日本年金機構から65歳の誕生日の3か月前に、「年金請求書」が届きます。「年金請求書」に必要事項を記入して、年金事務所に提出することで、年金を受給できるようになります。この手続きをしないで5年を過ぎてしまうと、5年分まではさかのぼってもらうことができますが、5年を超えた分は請求できなくなるので注意しましょう。
2. 手続きの方法
手続きの流れを説明します。
2.1 前準備
前準備として、次のものを準備しておくとスムーズです。
- 年金手帳
- 雇用保険被保険者証
- 通帳
- マイナンバーカード
配偶者がいる場合は配偶者の個人番号と基礎年金番号、扶養している子がいる場合は子の個人番号も必要なので、そちらもあわせて準備しておきましょう。
2.2 必要事項を記入する
年金請求書にはあらかじめ、住所、氏名、基礎年金番号、生年月日、年金加入記録が記載されています。間違いがないかを確認して、間違いがあれば二重線を引いて訂正します。年金加入記録は勤務期間と照らし合わせて、もれや誤りがないかしっかりと確認しましょう。
記入例を参考にして、記入が必要な太枠の部分を記入します。
<記入例>
日本年金機構「年金請求書(国民年金・厚生年金保険 老齢給付 事前送付用)(記入例)」
2.3 必要書類を準備する
すべての人に必要な書類は次の二つです。
- 戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍の記載事項証明、住民票、住民票の記載事項証明書のいずれか
- 受取先金融機関の通帳等(本人名義)の写し
ただし、日本年金機構にマイナンバーが登録されている人や年金請求書にマイナンバーを記入した場合は、戸籍謄本等の添付は原則不要となります。
また、年金請求書に金融機関の証明を受けた場合や年金の受取口座に公金受取口座を指定する場合は、金融機関の通帳等の写しは不要です。
つまり、年金請求書にマイナンバーを記入し、公金受取口座で年金を受け取れば、添付書類はいらないことになります。
本人の状況によっては、他にも書類が必要となる場合があるので、年金請求書の説明に従って用意しましょう。
2.4 年金請求書を提出する
年金請求書は誕生日の3か月前に届きますが、受給権が発生するのは受給開始年齢に到達した日(誕生日の前日)となります。そのため、年金請求書の提出は受給開始年齢になってから提出します。その前に提出しても受理してもらえないので注意してください。
また、戸籍・住民票などの必要書類は、受給権発生日以降に交付されたもので、かつ、年金請求書の提出日において6か月以内に交付されたものである必要があります。こちらも留意しましょう。
提出方法は、郵送または年金事務所の窓口に提出します。年金が老齢基礎年金のみの人(国民年金第1号被保険者の期間だけの人)は、市区町村の窓口に提出します。
年金請求書に「電子申請のご案内リーフレット」が同封されている人が電子申請も可能です。ただし、公金受取口座以外の口座で年金の受け取りを希望する人は電子申請はできません。
3. 「国民年金+厚生年金」月額いくら受給できる?
年金請求書には、年金がいくらもらえるかは記載されていないので、年金の見込額を知りたい場合は、年金請求書を提出する前に最寄りの年金事務所に見込額の交付をお願いするといいでしょう。
年金見込額は、ねんきんネットでも確認できます。マイナポータルから利用登録をすればすぐにサービスを利用できます。
また、ねんきん定期便が手元にあれば、これまでの加入実績と今後の加入状況に応じた年金額が記載されているので、そちらでも確認できます。ねんきん定期便は毎年誕生月にハガキで送られてきますが、35歳、45歳、59歳は、ハガキより詳細な内容が封書で送られてきます。
ねんきん定期便には、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせた見込額の年額が記載されているので、12ヵ月で割ることで月額がわかります。なお、年金は2か月分がまとめて振り込まれます。
この他にも、公的年金シミュレーターで将来受け取る年金額を試算できます。ねんきん定期便に記載されている二次元バーコードを読み取ると、生年月日を入力するだけで簡単に試算できるので試してみるといいでしょう。
4. 国民年金と厚生年金の平均年金月額
最後に、みんなが国民年金と厚生年金を月額いくら受給しているのか、男女別の受給額の状況と平均受給額をご紹介します。
4.1 国民年金の月額受給額の分布
- 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
4.2 厚生年金の月額受給額の分布
- 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金の金額を含む
参考資料
- 日本年金機構「初めて老齢年金を請求するとき」
- 日本年金機構「老齢年金請求書の記入方法等」
- 日本年金機構「「ねんきんネット」によるご自身の年金記録の確認」
- 日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」
- 日本年金機構「老齢年金請求書の電子申請はどのような人が利用できますか。」
- 厚生労働省「公的年金シミュレーター使い方ホームページ」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
石倉 博子