6月13日は年金支給日です。今月の支給は4月・5月分で、2025年度水準の金額となります。金額は増額されるため、税金や社会保険料に大きな変更がなければ、前回の支給よりも受け取れる金額が増える人がほとんどでしょう。

年金額の改定は物価や賃金の変動にあわせて行われます。今年度は増額されましたが、物価・賃金の変動の仕方によっては減額となる年もあります。

年金額の改定により、国民年金・厚生年金はいくら増えるのでしょうか。また、年金額が減額されるのはどのようなときでしょうか。この記事では、今年度の年金額や今後の年金額の改定について解説します。

1. 6月13日から支給される年金額は前年度から「増額」

6月13日から支給される年金額は、前年度から増えます。2025年度の支給額は、以下のとおりです。

  • 国民年金
    ・2024年度:6万8000円
    ・2025年度:6万9308円(+1308円)
  • 厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む)
    ・2024年度:22万8372円
    ・2025年度:23万2784円(+4412円)

国民年金(基礎年金)は1308円増加の6万9308円です。また、男性の平均的な収入で40年間就業した場合の厚生年金と夫婦2人分の基礎年金の合計額は、前年度から4412円増加の23万2784円となっています。

増額分を年換算すると、基礎年金は年間で1万5696円、夫婦2人の厚生年金と基礎年金の合計は5万2944円増えています。金額が増えることで、わずかですが生活費に充てられるお金を増やせるでしょう。

ただし、2025年度の年金については金額こそ増加しているものの、実質的には目減りとなっている点に注意したいところです。年金は物価変動率と賃金変動率、そして現役世代の保険料負担が増えないよう支給率を調整する「マクロ経済スライド」をもとに改定率が決まります。

2025年度の改定率は1.9%の増加ですが、物価変動率は2.7%と、年金の増加分を上回っています。年金の伸び以上に物価が伸びており、価値は目減りしているのです。そのため、日常生活においては増額による恩恵を実感できる場面は少ないと考えられるでしょう。

次章では、シニア世代の年金の平均受給額を確かめましょう。