マイホームの頭金、老後の資金…今からたくさんのお金を貯めないと、と思っている人も多いと思います。しかし、年収によっては思うようにお金を貯めることができず、将来のことが不安というケースもあるでしょう。そこで今回は、年収350万円から始める老後資金とマイホーム頭金の貯め方のヒントをご紹介します。

自分に必要な老後資金を計算しよう

自分に必要な老後資金を計算したことがありますか。老後資金の目安と世間で言われる金額をアテにしていても、自分に必要な金額がそれと同じとは限りません。まずは自分に必要な老後資金を調べてみましょう。そのためには、老後の生活をしっかりイメージして必要額を算出する必要があります。

参考になるのは今の生活。子どもがいれば、子どもにかかるお金を今の生活費から差し引いて計算するといいでしょう。子どもがいない場合は今の生活水準が参考になります。子どもが一人立ちした後、退職した後の生活水準が今より下がるとは言い切れないので、今の水準で考えるほうが安心ですね。

必要な生活費を計算したら、65歳から15年もしくは20年の生活費も計算してみましょう。たとえば、毎月の生活費が32万円であれば必要な生活資金は年間336万円、老後の生活を20年間と見積もると必要な老後資金は合計7680万円となります。

そのうえでもう一つ計算しておきたいのが、将来受け取れる年金額の見込みです。これは日本年金機構のウェブサイト上で試算することができます。自分がもらえる金額を計算してみて、それを先に生活費として計算しておいたお金から差し引けばいいのです。そのうえで出た金額が、あなたが必要な老後資金となります。

平成28年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(厚生労働省年金局)」では、厚生年金の平均的な月額は男性が16万7000円ほど、女性が10万3000円となっていますので、ここではこれを目安として計算します。毎月の生活費が32万円、年金が夫婦2人合わせて27万円、毎月の差額である5万円を20年間生活資金として使っていくわけですから、1200万円のお金が必要となりますね。

マイホームの頭金はいくらに設定すべきか

続いて、マイホームの頭金をイメージしてみましょう。購入後の生活の負担を考えると頭金が多いに越したことはないのですが、貯められるお金にも限度がありますよね。ローンの利用を前提とすると、だいたいマイホーム資金の2割~3割が頭金の目安と言われます。たとえば3500万円の住宅を購入する予定であれば、700万円~1050万円が必要という計算になりますね。

人の考え方にもよりますが、しっかり頭金を貯めてマイホームの購入に踏み切るか、頭金が少なくても若いうちに購入して働きながらしっかり返していくのか、いずれかの方法を選択することもできます。住宅ローンの負担は大きくなりますが、若いうちに住宅を購入すべきでないというわけではありませんので、自分がベストだと思う方法を選んでください。

不動産会社やマンション、住宅の展示会場へ行けば住宅ローンの試算をしてくれますし、実際の間取りのイメージもつかめます。頭金をいくら用意すればいいか見当がつかないという人は、一度ショールームや住宅展示場に足を運んでみてはいかがでしょうか。

年収350万円でも工夫次第で上手に貯められる方法がある