6月は老齢年金の支給月。年金制度に関心が集まるこの時期、現役世代を支える「障害年金」についても知っておきたいところです。

障害年金は、けがや病気で日常生活や就労が難しくなったときに支給される公的年金で、「国民年金」「厚生年金」による2階建ての制度です。

今回は、日本年金機構が発表した「障害年金業務統計(令和5年度)」をもとに、支給のしくみや更新期間、受給金額の内容について解説します。

1. 障害年金とは?制度の全体像と対象を確認

日本では、20歳以上のすべての人が公的年金に加入する義務があり、自営業者などは「国民年金」、会社員などは「厚生年金」に加入します。

公的年金には老後の生活を支える「老齢年金」だけでなく、現役世代を支える「障害年金」や「遺族年金」もあり、病気やけが、家計の支えを失ったときなど、人生の「もしも」に備える制度があります。

今回は障害年金について解説していきます。

1.1 障害年金の対象とは?

障害年金は、けがや病気で日常生活や仕事が困難になったときに支給される年金です。

対象となる病気は、視覚・聴覚・肢体障害、長期療養が必要ながんや糖尿病、精神疾患など多岐にわたります。

障害があっても回復の見込みがある場合もあるため、支給期間は人によって異なります。

1.2 障害年金は「2階建て」

障害年金は加入している年金制度により「障害基礎年金(国民年金)」と「障害厚生年金(厚生年金)」に分かれます。

障害年金は2階建て

障害年金は2階建て

筆者作成

たとえば会社員は両方、自営業の方は障害基礎年金のみが対象です。

さらに、障害の程度によって受け取れる年金の種類も異なります。