2.3 厚生年金受給額に差が生じる要因

厚生年金の受給額は、社会保険の加入期間と加入中の報酬額を基に計算される部分が大きいため、現役時代の働き方によって顕著な差が生じます。

具体的には、加入期間が長く、報酬額が高いほど、将来受け取ることができる年金額は高くなるのです。一方で、個人事業主など社会保険に加入をしない働き方をしていた場合には、厚生年金を受給することはできません。

そのため、会社に勤めずに自営業で働いている場合や、会社に勤めていたとしても報酬額が低い場合には、将来の年金額は低くなります。

厚生年金受給額の順位として大きな都市が上位となっている要因としては、企業に勤めて社会保険に加入をする働き方をしている人が多く、報酬額も一定以上を受け取っているケースが多いなどの理由が考えられます。

3. まとめ

年金受給額は地域によって大きな差があることがお分かりいただけたかと思います。厚生年金については、都市部を中心に受給額が高い傾向にあり、これは給与水準や社会保険加入率の違いが主な要因となっていることが考えられます。

老後の生活設計を立てる際には、居住地域による年金の受給額の差も参考とすることができます。しかし、ご紹介した金額はあくまでも平均値であり、実際の受給額はあなたの働き方や保険料の納付状況によって大きく異なってきます。

将来の資金などに不安を感じる場合は、まずはねんきんネットや試算ツールなどで自身の年金受給額を把握することから始めましょう。その上で、必要に応じて資産形成や追加的な老後の備えを検討することをお勧めします。

生活設計についてお悩みの場合は、ファイナンシャルプランナーなど専門家への相談を検討しましょう。自分自身の老後を見据え、早めの対策を講じることが、安心した生活への鍵となります。

参考資料

斎藤 彩菜