2. 厚生年金受給額の実態と決定要因
次に、老齢厚生年金における都道府県別の平均受給額、支給額の決定方法、および地域差が生じる理由について解説します。
2.1 都道府県別ランキングと全国平均額
厚生年金受給額で見た都道府県の平均受給額ランキングは以下の通りです。
【厚生年金の平均受給額ベスト5位】
- 1位:神奈川県16万6578円
- 2位:千葉県16万1368円
- 3位:東京都15万9921円
- 4位:奈良県15万8862円
- 5位:埼玉県15万8003円
【厚生年金の平均受給額ワースト5位】
- 1位:青森県12万4383円
- 2位:沖縄県12万5435円
- 3位:秋田県12万5476円
- 4位:宮崎県12万5499円
- 5位:山形県12万7133円
全国平均額:14万7360円
2.2 老齢厚生年金の支給額はどのように決まるのか
厚生年金の受給額は、主に以下の2つの金額を合算して計算されます。ただし、年齢や配偶者の状況によって、それ以外にも上乗せして支給される場合があります。
1.受給者が社会保険に加入していた加入期間と報酬月額相当額によって計算される「報酬比例部分」
報酬比例部分は社会保険の加入期間に応じて高くなるため、加入期間が長いほど受け取ることができる厚生年金の金額も大きくなります。
また、報酬比例部分の年金額は、加入中の給与(月収)に基づく「標準報酬月額」と、賞与に基づく「標準賞与額」によって決まります。これらをもとに計算される平均標準報酬額が高いほど、将来受け取る厚生年金の金額も高くなります。
2.国民年金の納付年数によって決定する「老齢基礎年金額」
厚生年金加入者は、先ほど説明した国民年金(老齢基礎年金)の金額に、報酬比例部分が上乗せされて支給されます。