1.2 国民年金支給額の決定方法
国民年金の受給額は、主に「国民年金保険料」を納めた月数によって決定されます。社会保険に加入している間や、配偶者の扶養となっている場合は、保険料を支払わずに「納付済み期間」としてカウントされます。
保険料が加入者全員一律であるため、老後に支給される国民年金(老齢基礎年金)も、加入月数が同じであれば同額となります。
1.3 国民年金支給額に差が生じる要因
国民年金は、原則として20歳から60歳未満の日本居住者は一律で納付義務があり、加入義務期間に保険料の納付をしていれば、年金の受給額も一律となります。
2023年度の満額での国民年金受給額は6万6250円でした。(2025年度は6万9308円・2024年度は6万8000円)
しかし、平均額が満額より約9000円も低く、さらに都道府県によっても差が生じている要因としては、以下の理由が考えられます。
1.保険料免除期間の有無
国民年金は20歳から60歳未満であれば加入して保険料を納付をする義務があります。しかし、一定の条件を満たした場合、その納付が免除される制度が設けられています。
具体的には、学生である期間や、所得が一定以下であり保険料の納付が困難であると認められた場合には、保険料の全額、または一部が免除されます。
免除期間は納付義務はなくなる一方で、将来の国民年金受給額も減額されます。
国民年金受給額の「満額」とは、原則の加入義務期間に漏らさず保険料を納付した場合に適用される計算になっているためです。
2.繰上げ受給をしている
年金の受給には、繰上げ受給という制度が設けられています。現在の日本では、原則として65歳から年金の支給が開始されます。しかし、本人の申請により、支給開始年齢を60歳まで繰上げることが可能です。支給開始年齢を早めると、1ヶ月につき年金支給額が0.5%減額されます。
国民年金の受給額ランキングの順位に高低差がある要因として、住民の保険料免除期間の有無や繰上げ受給の利用の有無が関係していることが考えられます。