4. 年金から天引きされる税金や社会保険料が記載されている「年金振込通知書」をチェック!
公的年金の金額は、物価や現役世代の賃金を踏まえて年度ごとに見直しがおこなわれます。
2025年度の年金額は4月分から改定され、前年度より1.9%増えました。
公的年金は前月までの2カ月分が「後払い」で支給されますので、増額率が適用される「4月」の年金は、「6月13日(金曜日)」に支給されています。
なお、金融機関への振り込みで年金を受け取っている人には、この支給タイミングに合わせて6月に「年金振込通知書」が郵送されてます。
年金振込通知書には、以下の内容が記載されています。
ただし、各支払期に天引き(特別徴収)される額は変更となる場合があります。
(1)年金支払額
1回に支払われる年金額(控除前)
(2)介護保険料額
年金から天引きされる介護保険料額
(3)後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)
※特別徴収される場合に記載される
年金から天引きされる「後期高齢者医療保険料」または「国民健康保険料(税)」
(4)所得税額および復興特別所得税額
年金支払額から社会保険料(※1)と各種控除額(※2)を差し引いた後の額に5.105%の税率をかけた額
※1 社会保険料:社会保険料とは、特別徴収された介護保険料、後期高齢者医療保険料または国民健康保険料(税)の合計額
※2 各種控除額:扶養控除や障害者控除など
(5)個人住民税額および森林環境税額
年金から特別徴収(天引き)される個人住民税額および森林環境税額
(6)控除後振込額
年金支払額から社会保険料、所得税額および復興特別所得税額、個人住民税額および森林環境税額を差し引いた後の振込金額
(7)振込先
年金が振り込まれる金融機関の支店名(※営業所、出張所などを含む)
(8)前回支払額
令和3年10月から、年金振込通知書に前回の定期支払月に支払った金額
年金見込み額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できますが、年金は「額面通りにはもらえない」点も心得ておきましょう。
年金振込通知書の送付は、原則として年1回。振込額や振込口座に変更がなければ、その後の支給月には送付されません。
5. 老後に向けて少しずつでも準備を進めていくことが大切
今回は、現在の厚生年金受給者がどの程度の年金をもらっているのかを確認しましたが、いかがでしたでしょうか。
公的年金は毎年度見直されており、2025年度は前年度よりも1.9%増えています。
しかし、物価の上昇には追い付いていないため、公的年金が増額改定されたとしても、年金生活の負担が大きく軽減されるわけではありません。
今後も物価高が続く場合、今の現役世代の方が老後に年金を受給する頃には、さらに生活費が必要となっている可能性も考えられます。
家計収支を把握し、老後に向けて少しずつでも準備を進めていくことが大切です。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「年金振込通知書」
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
- 帝国データバンク「「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年6月」
足立 祐一