4. 年金も6月からは支給額が1.9%増加
老齢年金生活者支援給付金だけでなく、老齢年金も6月から支給額が増加します。6月からの支給金額は、以下のとおりです。
国民年金
- 2024年度:6万8000円
- 2025年度:6万9308円(+1308円)
厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む)
- 2024年度:22万8372円
- 2025年度:23万2784円(+4412円)
基礎年金は1308円、標準的な厚生年金+基礎年金の金額は4412円の増加となっています。割合に換算すると1.9%の増額です。
しかし、年金は実質的に目減りしています。年金額の改定には物価変動率や名目手取り賃金変動率を用いますが、2025年度の金額は以下のように改定されました。
- 物価変動率:2.7%
- 名目手取り賃金変動率:2.3%
(物価>賃金のため、名目手取り賃金変動率を用いて改定) - マクロ経済スライドによる調整:△0.4%
- 改定率:1.9%
マクロ経済スライドの調整により、賃金上昇率を下回る改定率となっています。加えて、物価上昇率が2.7%とそもそも名目手取り賃金変動率よりも高い割合になっています。金額が増えてもそれ以上に物価が上昇しているため、年金額の価値は減少しているのです。
2025年4月分の消費者物価指数は、2020年を100として111.5と、前年同月比で3.6%上昇しました。前月比でも0.1%上昇と、物価は上がり続けています。年金の支給額が増えることで家計の収入は増えますが、生活面は依然として苦しいままと考えられるでしょう。
5. まとめ
老齢年金生活者支援給付金は、支給対象であっても申請が必要です。申請し忘れると、給付を受けられる権利があっても受け取れません。
申請手続きは送られてきた書類に必要事項を記入して返送するだけであり、簡単に完了します。忘れずに申請手続きをして給付を受け取り、日々の支出に役立ててください。
参考資料
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 日本年金機構「65歳の誕生日を迎え、老齢基礎年金を新規に請求する方」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
石上 ユウキ