【年金世代の貯蓄事情】60歳代＆70歳代の貯蓄額の平均・中央値は？あなたは上位何%？老後貧乏と豊かな老後を分ける3つの要素元銀行員が老後のお金を解説！

3. 【今から備える】老後資金に関する3つの視点

豊かな老後を実現するには、健康や人間関係も大切ですが、何より土台となるのは「お金の安心感」です。

年金だけに頼るのではなく、収入・支出・備えの3方向から家計を整えることが、安心して暮らせる老後につながります。

ここでは、老後資金に関する3つの視点を紹介します。

公的年金は老後生活の柱ですが、これだけでは生活費が足りない世帯も少なくありません。

預貯金の低金利が続くなか、新NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を活用し、少額から資産運用を始める方も増えています。

新NISAは運用益が非課税、iDeCoは掛金が所得控除の対象となるため「資産を増やす」と同時に「節税」も可能です。

ただし、無理な運用は避け「長期・積立・分散」を意識した堅実なスタイルが、老後資金づくりには効果的です。

老後の家計で多い悩みが「毎月の生活費がじわじわ赤字になる」ことです。

現役時代に比べて収入が減っても、支出は大きく変わらない世帯も見られます。

大切なのは、退職前に家計を見直し、無駄な固定費を削減することです。

たとえば、保険料や通信費、車の維持費を見直すだけでも、月に2～3万円の改善が期待できます。

また、趣味や旅行など楽しみを残しつつ「外せない支出」と「節約できる支出」を見極めていくと、無理のない暮らしを続けられます。

年齢を重ねるにつれて、医療費や介護費は確実に増えていきます。

健康保険があっても、高額療養費や介護サービスの一部には自己負担が生じるため、手元にすぐ使えるお金を備えておきましょう。

医療・介護専用の保険に加入するのも一つの方法ですが、保険だけに頼らず、現金やすぐに引き出せる預金を一定額持っておくと安心です。

将来、介護が長期化する可能性も考慮し、月5～15万円程度の備えがあると現実的です。