高年齢者雇用安定法が改正され、2025年4月1日からは65歳までの雇用確保が義務化されました。加えて、在職老齢年金の支給停止基準額も3年連続で引き上げられるなど、働くシニア世代を支援する制度の整備が着実に進んでいます。
働き方の多様化が進むいま、還暦60歳以降の働き方や過ごし方には、選択肢が増えていくことが考えられます。また年金生活がスタートする世帯も多い60歳代は、ライフスタイルが大きく変わる時期であることには変わりがないでしょう。
そこで今回は、60代の貯蓄と年金事情について、2025年5月16日に公表された総務省「家計調査」や、厚生労働省の礎資料をもとに見ていきたいと思います。
1. 【貯蓄】いまどき60歳代の「貯蓄額」みんなの平均いくら?
2025年5月16日、総務省統計局は「家計調査報告 貯蓄・負債編 2024年(令和6年)」の結果を公表。貯蓄額の平均は二人以上世帯全体で1984万円、勤労世帯に絞ると1579万円となりました(詳細結果8-5表)。
60歳代世帯の平均は以下の通りです。
- 60歳代(二人以上の世帯):2659万円
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60歳代(二人以上の世帯のうち勤労者世帯):2367万円
次ではこの貯蓄の内訳を見ていきます。60歳代世帯は、金融資産を預貯金や保険などに、どのような配分で振り分けているのでしょうか。