物価の上昇が続いており、生活に大きな負担が生じているご家庭も多いのではないでしょうか。

石破総理は、2025年6月17日に行われたG7カナナスキス・サミット出席等についての内外記者会見で、給付金を参院選の公約に盛り込む検討を党に指示したことを明言しました。

具体的には、物価高への対応として、賃上げが物価上昇を上回るまでの間の対応も必要とのことで、「お子さん」及び「住民税非課税の所得が低い世帯の大人の方々」には1人につき4万円、「その他の方々」には1人につき2万円の給付金を検討しているそうです。

今検討されている給付金とは別に、「年金生活者支援給付金」があることはご存じでしょうか。

年金生活者支援給付金は、消費税率引き上げ分を活用して「2019年からスタ―トした制度」です。

支給対象となるのは、基礎年金を受給していて、公的年金などの収入金額やその他の所得が一定基準額以下となる方です。

支給要件を満たし申請手続きを行うと、生活の支援を図ることを目的として、2カ月に1度公的年金に上乗せして支給されます。

この記事では、シニア世帯が老後生活で感じていることや、2025年度に増額改定された「年金生活者支援給付金」についてわかりやすく解説します。

国民年金や厚生年金の平均月額もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1. 【高齢者世帯】約59.0%が生活が「大変苦しい」もしくは「やや苦しい」と回答

厚生労働省が公表した「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯の約59.0%が生活が「大変苦しい」もしくは「やや苦しい」と回答しています。

生活「大変苦しい」もしくは「やや苦しい」と答えた割合/次ページ以降で2025年度の「年金生活者支援給付金」を確認

「大変苦しい」もしくは「やや苦しい」と答えた割合グラフ

出所:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」

1.1 高齢者世帯の生活意識「結果」

  • 大変苦しい:26.4%(前回18.1%)
  • やや苦しい:32.6%(前回30.2%)
  • 普通:36.7%(前回45.1%)
  • ややゆとりがある:3.9%(前回2.5%)
  • 大変ゆとりがある:0.4%(前回0.8%)

物価の上昇が続いているため、主な収入が公的年金のみとなる高齢者世帯の方も「生活の厳しさ」を実感しているようです。

公的年金は毎年度改定され、2025年度は物価高により3年連続増額になっています。

しかし、マクロ経済スライドによる調整があり、公的年金の増額改定がされても物価高に追い付いていないため、実質的には目減りしている状況にあります。

では、2025年度の公的年金は、2024年度と比べどれくらい増えたのでしょうか。