4. ねんきん定期便の記載額は「額面」です。年金から引かれるお金とは？

ねんきん定期便に記載されている金額は、手取り額ではありません。

実際に受給が始まったら、税金や社会保険料が天引きされることを把握しておきましょう。

4.1  年金から引かれるお金1：介護保険料

40歳から64歳までは介護保険料が健康保険料に含まれており、65歳を迎えると独立して納めることになります。

年金受給額が年間18万円以上の場合、介護保険料は年金から自動的に差し引かれます。

介護保険料は、たとえ介護を必要とする状態になったとしても支払いが免除されることはありません。

4.2 年金から引かれるお金2：国民健康保険料や後期高齢者医療制度の保険料

国民健康保険や後期高齢者医療制度（75歳以上が加入）の保険料も、年金から自動的に天引きされます。

以下のケースに該当している場合に年金から徴収します。

  • 老齢もしくは退職、障害または死亡を支給事由とする年金を年間18万円以上受け取っている
  • 後期高齢者医療保険料と介護保険料の合計額が、天引き対象年金額の2分の1以下の場合

※特定の条件を満たす場合には、普通徴収（納付書や口座振替）に切り替わることがあります。

4.3 年金から引かれるお金3：個人住民税

前年の所得に基づいて課税される「住民税」も、年金所得が一定額を超えると年金から天引きとなります。

※「所得が一定以下の場合」や「障害年金や遺族年金を受け取っている場合」には、住民税が非課税となることがあります。

4.4 年金から引かれるお金4：所得税および復興特別所得税

年金受給額が一定額を超えると、「所得税」も課税されます。。

65歳未満の場合は年金受給額が108万円を超えると課税対象となり、65歳以上の場合は、158万円を超えると課税されるため留意しておきましょう。

さらに現在は、東日本大震災の復興財源確保のために施行された「復興特別所得税」も課せられています。

※障害年金や遺族年金については非課税

5. まとめ

本記事では「ミドルシニア世代」ともいわれる50歳代の「貯蓄額」について解説しました。

老後に向けた準備はラストスパートをかける時期になります。いま十分な貯蓄がない世帯は、ここから追い上げていきたいものです。

  • 生活費は老後を迎えた時にどれくらい削減できそうですか
  • 退職金はどれくらい受け取れる予定ですか
  • 老後に受給する年金は月どれくらいが見込まれますか

このように一つずつ具体的に数字を落とし込んで、現実的な老後生活をイメージしてみると良いでしょう。

参考資料

荻野 樹