所得が一定以下の年金受給者には、年金生活者支援給付金が支給されることをご存知でしょうか。老齢年金受給者なら月額5450円、夫婦2人が要件を満たせば年間約13万円の給付を受けられます。
厚生労働省の資料によると、高齢者世帯の半数以上が「生活が苦しい」と感じている現実も明らかになっています。
老後生活の不安を軽減するためには、給付金制度の活用とともに、長く働ける環境づくりや計画的な資産形成が重要です。本記事では受給要件や申請方法、生活を支えるヒントをご紹介します。
1. 年金生活者支援給付金の受給対象者と受給額
年金を受給しており、所得が一定以下の方は年金生活者支援給付金を受給できます。給付金の受給対象者は、以下のとおりです。
- 老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5450円
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円
夫婦ともに支給要件を満たしている場合、それぞれに年金生活者支援給付金が支給されます。ひとり当たり5450円を受給できると仮定すると、年間で最大約13万円にもなります。
年金生活者支援給付金は、年金事務所が市町村から提供を受ける所得情報により、支給要件を満たしているか判定しています。
受給対象者には年金事務所から申請書が送られ、返送することで申請の手続きは完了します。
なお、日本年金機構や厚生労働省から、電話で家族構成や金融機関の口座番号・暗証番号を聞くことはありません。年金生活者支援給付金に限らず、給付金制度を騙った詐欺が発生しているため、注意しましょう。