3. 【令和の年金エイジ】65歳以上《無職世帯 vs 勤労世帯》資産の置き場所に違いはあるのか?
長く続く低金利、そして昨今の物価上昇を考えたとき「資産の置き場所」について意識を高めている世帯もあるでしょう。
ここからは、65歳以上世帯の「貯蓄の内訳」について、就労状況別に見ていきます。
3.1 65歳以上・2人以上世帯「勤労世帯」
- 金融機関:2078万円
- 通貨性預貯金:727万円
- 定期性預貯金:636万円
- 生命保険など:357万円
- 有価証券:359万円
- 金融機関外:37万円
3.2 65歳以上・2人以上世帯「無職世帯を除く勤労者以外の世帯」
- 金融機関:2713万円
- 通貨性預貯金:968万円
- 定期性預貯金:821万円
- 生命保険など:457万円
- 有価証券:467万円
- 金融機関外:21万円
3.3 65歳以上・2人以上世帯「無職世帯」
- 金融機関:2554万円
- 通貨性預貯金:801万円
- 定期性預貯金:859万円
- 生命保険など:394万円
- 有価証券:501万円
金融機関外:6万円
金融機関貯蓄額が最も高かったのは「無職世帯を除く勤労者以外の世帯」の2713万円。この背景には、シニア層の中でも世帯主が何らかの事業に携わっているケースが多いことが考えられます。
一方で、「勤労世帯」の金融機関貯蓄額は2078万円、「無職世帯」は2554万円でした。
意外にも無職世帯の方が勤労世帯より貯蓄額が多い傾向にありますが、これは長年の蓄えを大切に守ってきた世帯の存在があるほか、定年退職金をすでに受け取ったことで貯蓄額が引き上げられた世帯が一定数含まれているためと推測できます。
いずれの世帯も「通貨性預貯金」と「定期性預貯金」が全体の6割以上を占めています。日常生活費や万が一の事態に備え、流動性と安定性を意識する世帯が多いことを示していると言えそうです。
一方、「有価証券」の割合も高く、特に無職世帯では501万円と、勤労世帯(359万円)や勤労者以外の世帯(467万円)よりも多く保有しています。
リタイア後も資産運用によって資産を増やしていく意欲を持っていたり、長年の資産形成の中で積極的に投資に取り組んできた成果が表れていることも推測できるでしょう。
また「生命保険など」についても、万が一の事態や将来の生活費に備えている様子がうかがえます。