4. 全額を投資に回す

退職金は老後生活を支える大切なお金であるため、全額を投資に回すべきではありません。60歳を過ぎると、働ける期間が短いうえに、損失が発生したときに回復を待つ時間的余裕がありません。つまり、運用が不調だと取り返しがつかない事態になりかねないのです。

退職金は、老後を楽しむためのお金であるのと同時に、老後の基本的な生活を支えるためのお金である点に留意しましょう。

ただし、資産寿命を延ばすために、リスク許容度の範囲内で投資をすることは有意義です。たとえば、保有資産の一部を低コストのバランスファンドで運用する、という方法が考えられるでしょう。

例えば、60歳で1500万円を年間利回り2%で運用し、70歳から年間80万円を取り崩す場合、資産運用を行うことにより資産寿命が約12年伸びます。

退職金で投資をする際には、安全性を意識しつつ、自分のリスク許容度を客観的に把握することが大切です。