6月は、年金が支給される月。2か月に一度のこの日を心待ちにしている方も多く、シニア世帯にとっては貴重な収入が振り込まれる大切なタイミングです。また、現役世代も企業によっては夏のボーナスが支給される時期でもあり、ご自身の将来や老後の資金について考えるきっかけにもなりやすい時期といえるでしょう。

日本の年金制度は、「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造になっており、現役時代の働き方や加入年数、収入などによって受け取れる年金額に大きな差が出ます。

物価上昇が続く今、今後の生活に不安を感じながら「自分の年金額は平均と比べてどうなのか?」「今のシニア世代はどれくらいもらっているのか?」と気になっている方も少なくありません。

そこで本記事では、公的年金の仕組みから、国民年金・厚生年金の平均受給額までを詳しく解説します。

1. 日本の年金制度を理解しておこう

公的年金のしくみをおさらいしましょう。

【写真】厚生年金と国民年金の仕組み

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

日本の公的年金は「2階建て構造」と表現されます。これは、1階部分にあたる「国民年金」と2階部分にあたる「厚生年金」から成り立つためです。

国民年金の加入対象は、原則として、国内在住の20歳以上60歳未満の全ての人。年金保険料(※1)は全員一律です。一方、厚生年金は会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入し、収入に応じた年金保険料(※2)を納めます。

国民年金は、年金保険料を全期間(480月)納付すると、65歳で満額(※3)を受給できます。未納期間に応じて満額から差し引かれるルールです。

※1 国民年金保険料:2025年度は月額1万7510円
※2 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
※3 国民年金の満額:2025年度は月額6万9308円