7月に入り、暑さが本格化してきました。冷房費や医療費などの出費が増えるなか、公的年金だけでは生活に不安を感じる方も少なくないでしょう。

そんなシニア世代を支える制度のひとつが、「年金生活者支援給付金」です。これは、所得が一定基準以下の年金受給者に対して、公的年金に上乗せして給付される制度です。

ただし、この給付金は自動で支給されるわけではなく、申請が必要です。本記事では、年金生活者支援給付金の対象となる条件や支給される金額、申請方法について解説します。

1. 2025年度の「年金生活者支援給付金」の給付基準額はどれくらい?

公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準に満たない人を対象にした「年金生活者支援給付金」。

老齢年金、障害年金、遺族年金のそれぞれの年金に設けられており、公的年金に上乗せして支給されます。

年金生活者支援給付金は、公的年金と同様に毎年度、物価変動に応じて給付額の見直しが行われます。

2025年度の「年金生活者支援給付金」の給付額は、前年より2.7%引き上げとなりました。

  • 老齢年金生活者支援給付金(月額):5450円(※基準額)
  • 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
  • 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円

老齢年金生活者支援給付金については、上記を基準額として、保険料納付済期間などをもとに実際の給付金額が計算されます。保険料納付済期間が40年間(480ヵ月)に満たない場合、その分が差し引かれて支給されることに留意しておきましょう。

しかし、年金生活者支援給付金を受け取るには、いくつかの条件を満たす必要があります。

次章では、どのような方が対象となるのかを確認してみましょう。