2025年5月16日、年金制度改正法案が国会に提出され、審議が進められています。

将来、自分たちが年金を受給する頃、年金制度はどのように変わっているのか。自身の老後生活に大きく影響する部分ですので、行方を見守りつつ、定期的に老後対策を軌道修正していく必要があるでしょう。

さて、6月13日(金)は2カ月に1度の公的年金支給日です。2025年度の年金額は前年度から1.9%増額となるため、この日に支給される年金額は4月支給分より「増える」ことになります。

この日を心待ちにしているシニア世帯は少なくないでしょう。

本記事では、2025年度の年金額がどのくらい増えるのかを確認するとともに、今のシニア世代が現在、月額いくらの年金を受給しているのかを確認していきます。

1. 日本の公的年金制度は「2階建て」ってどういうこと?

「日本の年金制度は2階建て」です。1階部分が「国民年金(基礎年金)」、2階部分が「厚生年金」となります。

厚生年金と国民年金の仕組み、2枚目から年金一覧表&ねんきん定期便についてチェック!

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1.1 1階部分:国民年金

  • 加入対象者はどんな人?:原則として日本に住む20歳から60歳未満の全員(職業や国籍は問わない)
  • 年金保険料はいくら?:全員一律、ただし年度ごとに改定あり(※1)
  • 老後の受給額はどう決まる?:保険料を全期間(480カ月)納付すれば満額の老齢基礎年金を受給できる(※2)

※1 国民年金保険料:2025年度月額は1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2025年度月額は6万9308円

1.2 2階部分:厚生年金 ※国民年金に上乗せで加入

  • 加入対象者はどんな人?:会社員や公務員、またパートで特定適用事業所(※3)に働き一定要件を満たした方
  • 年金保険料はいくら?:収入に応じて(上限あり)変わる(※4)
  • 老後の受給額はどう決まる?:加入期間や納めた保険料により個人差が大きく出やすい

※3 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます。

このように、国民年金と厚生年金は加入対象者、保険料の仕組み、将来受け取れる年金額などに違いがあります。違いを理解して、将来の生活設計を考えていきたいですね。

続いて、2025年度に1.9%増額した年金額について見ていきましょう。