結婚して毎日忙しく、騒がしい中でも楽しく過ごしているのはいいけれど、「気がつけば貯金がない」という家庭、意外と多いのではないでしょうか。子どもが生まれて貯金の余裕がなくなってしまったとか、マイホームを買ってローンの支払いで貯金の余力がないとか、家庭によって理由はさまざま。

しかし、貯金なしでこのまま生きていくわけにはいきませんよね。そこで今回は、ある共働き子持ち家庭の家計改善計画をご紹介します。

まずは収入と支出を整理、貯まらない原因を突き止める

まず2人がやったことは、ファイナンシャルプランナー(FP)の友人に相談することでした。すると、2人はあることを指摘されました。それは、自分たちの収入と支出がどのくらいあるかきちんと把握できていないということです。共働きの2人は、毎月決まった金額をお互いに拠出し合って、家賃や光熱費、食費などを賄っていました。そうしてきたことで、収支の把握に両者でムラがあったのです。

たとえば、食費は妻しか把握していない、光熱費は夫の口座から引き落としをするために夫しか把握していない。また、保育園の保育料は妻、家賃の支払いは夫、というように、それぞれ自分が直接支払いの窓口になっているところについては理解していたのですが、パートナーが支払いの窓口をしているところについては詳細を把握していませんでした。

したがって、お互い何となく自分のほうが多く支払っているような気がしていたり、相手の支払いについては他人事のように感じたりしていました。こうなってしまうと、貯まらない原因もうやむやになってしまいます。そこで、自分が支払いの窓口となっている部分についてきちんと金額と引き落としのタイミングを書き出し、パートナーと情報共有することにしました。

それぞれの資産と毎月の支出を明らかにする

また、それと同時に明らかにしたのがそれぞれの資産と毎月の収支です。それぞれいくら収入があるのか、いくら使っているのか、いくら貯めているのか。この3つを明らかにすることで、本当の意味での「自分たちの資産」と「経済的な余力」を把握することができます。

共働きということもあって、それぞれ十分な収入があった2人。家計に入れる分を入れたら、あとは自分のお小遣いとして使っていました。そこからお互いに貯金もしていたと言いますが、誰と約束しているわけでもないので「今月はちょっと貯金できないけれど、まあいいや」と思って貯められない時期があったと奥さん。旦那さんも、「向こうが貯めているかもと期待して自分はあまり頑張っていなかった」とのこと。これではいつまでたっても貯まりませんよね。

それぞれ収支を明らかにすると、「そんなことにそんなに使っているの?」という話になったり、「これにもっとお金をかけたい」という話になったりします。そうやってお互いの出費に干渉されるのがイヤで内緒にしておいたそうですが、オープンにしたことでかえってスッキリした様子。

「洋服代とお化粧品代はもっと削って、貯金に回そう」とか「飲み会を減らすよ」という話ができたり、「子どもの習い事にはちゃんとお金かけたいよね」というような具体的な議論にもなったといいます。

2人の負債を「見える化」して返済計画を立てる