そこでもう一つ考えなければならないのが、お互いが持っている負債の話です。奥さんには奨学金の返済という負債があり、旦那さんは独身時代、どうしても欲しかったという憧れの車を買ったために、そのローン返済という負債を背負っていました。

それぞれ滞りなく返済してはいましたが、2人でお金の話をするうちに「もっと早く返済したい」と思うようになったと言います。2人の負債の合計金額をはっきりさせ、残高や利子を把握することで、何から先に返済していくべきかという優先順位がはっきりします。

「こっちのほうが利子が高いし、毎月の返済額が負担だけれど残りは少額だからさっさと返済してしまおう」とか「利子はかかるけれど、全額返済には少し時間がかかりそうだから、ボーナスのときにまとめて返済するだけで毎月の返済額は増やさないでおこう」というような話ができます。

また、こっそりキャッシングをしていたことや、クレジットカードの使い過ぎも発覚したことで逆にスッキリして、お互い様だから2人で頑張って返済していこうという話にもなったようです。こうして話をするうちに、「毎月いくら返済できるのか」という話にもなりますよね。そこをはっきりさせることで、まさに次のステップともいえる「毎月の貯金額」の話に移れるというわけです。

今後の大きな支出を考え、毎月の貯金額を検討する

さて、いよいよ毎月の貯金額を検討する段階に入りました。この2人は、毎月の自分たちの収入が残業量に比例することを踏まえて、貯金額を毎月一定にするのではなく収入の何%という形で設定しました。

確かに、若いうちは人によって残業代が給料の何割かを占める場合もありますよね。それによって月の給与が多少増減することは十分起こります。そのため、貯金額は無理に毎月一定にする必要はなく、少ないときには無理をせず、余裕のあるときは多めに出すということをしてもいいでしょう。毎月一定の金額であることが重要なのではなく、毎月きちんと貯め続けることが大事なのです。自分たちのペースで、長く続けていく必要がありますね。

さらに、2人には次の目標がありました。それは、マイホームを購入すること。ひとまず頭金を貯めるということを目的とし、金額は欲しいと思っているマイホームの購入金額の2割を目安に。そして、3年後までにその金額を貯めようということで話し合いをし、今のお互いの家計への拠出金額を増やすことで一致したといいます。

また、自分が自由に使える分についても、それぞれの夢のため、自己投資のために貯めるということも新たに決まり、新たな一歩を踏み出そうとしていました。

まとめ

いかがでしたか。2人はこれまで、真面目にお金の話をしてこなかったと言います。それは、お互いに稼いでいるから大丈夫、という気持ちだったから。しかし共働きで余裕があったとしても、お互いに情報共有しておかないと思わぬところでお金に苦労する事態に陥ることもありえます。ぜひ2人で協力し合いながら家計を上手に回していきましょう。

大塚 ちえ