3月に定年退職したものの、4月からも働き続けているシニア世代は多いのではないでしょうか。物価高で生活が苦しくならないよう、働けるうちに収入を増やし、貯蓄を用意しておきたいところです。

老後も働く際は「在職老齢年金」に注意が必要です。在職老齢年金について理解を深めておけば、年金額が少なくならずに済みます。この記事では、在職老齢年金の概要や注意点を解説します。

1. 在職老齢年金とは?

在職老齢年金とは、年金受給者の給与・賞与の合計額と年金受給額が一定額を超えた際に、受給する年金の一部または全部が停止される制度です。70歳未満の人が厚生年金保険に加入している場合や、70歳以上の人が厚生年金保険の適用事業所で勤めている場合に適用されます。

在職老齢年金が適用される収入額は、年度によって変わります。2025年度は基本月額(年金)と総報酬月額相当額(1ヵ月あたりの給与・賞与の金額)が月収51万円を超えると、年金支給停止の対象となります。

では、実際にいくら支給停止となるのでしょうか。次章でいくつか計算してみましょう。