4. 在職老齢年金は撤廃の可能性も?
在職老齢年金は、国の審議会において将来的な撤廃が検討されています。厚生労働省によれば、在職老齢年金により年金の支給が停止されているのは受給権者のうち16%です。
人材不足や老後資産の不足といった問題から、今後はシニア世代になっても働き続ける人が増えると考えられます。
2024年11月25日の社会保障審議会年金部会では、こうした問題背景から、在職老齢年金の撤廃について検討されました。現段階では、在職老齢年金の見直しとして、制度が適用される基準額を62万円まで引き上げる案が有力とされています。
将来的に在職老齢年金が廃止になれば、シニア世代は働き方を気にせずに老後も社会貢献ができるようになるでしょう。
5. まとめ
在職老齢年金は、適用されると年金カットの対象となります。よって、老後に働く際はおさえておきたい制度です。支給停止となると損することも多いため、働く時間や給与・賞与の金額を調整してもらいながら、年金を満額受け取れる方法を模索していく必要があります。
参考資料
- 日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」
- 国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」
- 厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「加給年金額と振替加算」
- 日本年金機構「在職老齢年金の支給停止の仕組み」
- 厚生労働省「在職老齢年金制度について」
石上 ユウキ