2025年7月4日、厚生労働省は「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」を公表しました。
調査によると、高齢者世帯の55.8%の方は「生活状況が苦しい」と回答してます。
内訳として、高齢者世帯の25.2%の方は「大変苦しい」、30.6%の方は「やや苦しい」生活状況にあるようです。
では「60歳代の方々」は、どれくらいの年金や貯蓄で生活しているのでしょうか。
今回は、60歳代のリアルなお金事情について《家計収支・貯蓄額・年金月額》の平均額を、総務省や厚生労働省の調査データをもとに見ていきましょう。
1. 「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」家計収支は平均で「毎月約3万円の赤字」
働き盛りの現役世代にとって、老後のお金まわりを具体的にイメージすることは大切です。
そこで、今のシニア世代の標準的な家計収支のデータを見てみましょう。
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」から、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」における家計収支の内容を確認していきます。
1.1 「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の家計収支
1.2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯:毎月の収入
- 収入合計:25万2818円
- うち社会保障給付(主に年金):22万5182円
1.3 65歳以上の夫婦のみの無職世帯:毎月の支出
- 消費支出:25万6521円
- 非消費支出:3万356円
支出合計28万6877円
この世帯の場合ひと月の収入は25万2818円、その約9割の22万5182円を公的年金などの社会保障給付が占めます。
一方で支出の合計は28万6877円。そのうち社会保険料や税などの「非消費支出」が3万356円、いわゆる「生活費」にあたる消費支出が25万6521円でした。
この夫婦世帯の場合、毎月約3万円の赤字となり、貯蓄の取り崩しなどでカバーすることになるでしょう。