8月15日には年金が支給されます。
2025年度の年金額となって2度目の年金支給日。夏はお盆があり旅行や帰省などのイベントで出費が増えますから、楽しみにしている方も多いでしょう。
老後生活を支えてくれる年金ですが、年金制度が難しくてよくわからないという現役世代の方も珍しくありません。
一方で、現役時代の年金への加入状況が老後の年金受給額となりますから、できるだけ早くから関心を抱き、年金制度について調べたり、備えられる対策をとっておくことは大切です。
6月には年金制度改正も成立しました。今回は年金制度や平均受給額、年金制度改正の詳細をご紹介します。
1. 年金の仕組み
日本の年金制度は「国民年金」と「厚生年金」から成り立つ2階建ての構造です。
まずは、2つの年金制度の基本を復習しておきましょう。
1.1 1階部分:国民年金
加入対象
- 原則、国内に住む20歳から60歳未満のすべての人
年金保険料
- 全員一律(※1)。年度ごとに改定あり
老後の受給額
- 保険料を全期間(480カ月)納めると、65歳以降で満額の老齢基礎年金(※2)を受け取れる。未納期間分に応じて満額から減額。
1.2 2階部分:厚生年金
加入対象者
- 会社員や公務員、またパートで特定適用事業所に働き一定要件(※3)を満たす人が、国民年金に上乗せで加入
年金保険料
- 収入に応じて(上限あり)決定される(※4)
老後の受給額
- 加入期間や納付済保険料により、個人差が出る
国民年金と厚生年金では、加入対象や年金保険料の決定方法、そして受給額の計算方法などが異なります。そのため、老後に受け取る年金額は一人ひとり変わってくるのです。
また、公的年金額は物価や現役世代の賃金を考慮して、年度ごとに見直しがおこなわれます。
※1 国民年金保険料:2025年度月額は1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2025年度月額は6万9308円
※3 1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます。