銀行に死亡届を提出する前に、故人の預金口座からATMでお金を引き出すのはNGなのでしょうか。

「そもそも、役所に死亡届を出したらすぐに銀行口座は凍結されるのではないか。」と考える人もいるかもしれません。

ご家族に万が一のことがあった場合、銀行口座について、いつ・どのように対応すれば良いのでしょうか。

本記事では、銀行口座が凍結となるタイミングや、口座凍結前にお金を引きだすことのリスクなどを解説していきます。

1. 役所に死亡届を提出すると「故人の銀行口座」が凍結されるって本当？ウソ？

多くの人は、死亡届を役所に出すとすぐに故人の銀行口座が凍結されると考えがちですが、実際にはそうではありません。

銀行口座の凍結が始まるのは、親族などが銀行に故人の死亡を正式に知らせた時点からです。

つまり、銀行が「名義人の死亡を認識した時点」で口座は凍結され、その後は預金の引き出しや振込などの取引ができなくなります。

まれに、銀行の担当者が新聞の訃報や葬儀の情報を独自に確認し、口座凍結に踏み切る場合もありますが、基本的には親族からの報告がなければ銀行は死亡を把握できず、即座の凍結はありません。

注意すべきは、「死亡情報が銀行間で自動的に共有されるわけではない」ということです。

故人が複数の銀行に口座を持っていた場合、それぞれの銀行に対して個別に死亡の連絡を行う必要があります。

ただし、同じ銀行の異なる支店に口座を持っている場合は、一度の届け出で全ての口座が凍結されます。

また、銀行に死亡の届け出をしない限り口座は凍結されないため、届け出前に口座からの引き出しは技術的には可能です。

とはいえ、これを行うと他の相続人との間でトラブルに発展したり、法的問題が生じる恐れがあるため注意が必要です。