2. 老後に向けたライフプランの立て方

ライフプランとは、自分のこれからの生活におけるイベントを踏まえて、必要な資金やタイミングを計画的に考えていくものです。単なる資金計画だけでなく、「どのような人生を送りたいか」という価値観や目標を含めた総合的な人生設計といえます。

2.1 ライフプランを立てる目的

ライフプランを立てる目的として、将来への不安を軽減し、目標達成へのモチベーションを高められることが挙げられます。具体的な計画を持つことで未来への漠然とした不安が減り、計画的な貯蓄や投資により予期せぬ事態にも備えることができます。

また、達成したい目標が明確になることで、貯蓄や投資などの長期的な取り組みも継続しやすくなります。

2.2 ライフプランを立てる上で大切な「ライフイベント」

ライフプランを立てる上で考慮すべき重要なライフイベントと、考えるべき事項としては、以下のような例が挙げられます。

  • 結婚:結婚資金や新居の準備 、保険の見直し
  • 出産と育児:出産・育児費用、仕事と育児を両立するための生活プラン
  • マイホーム購入:頭金の準備 ・住宅ローンの計画や返済計画
  • 教育 :教育費の計画と準備、教育ローンの検討や学資保険などの活用
  • 退職:退職金の試算と運用計画、年金受給額の確認、老人ホームの検討や相続対策

以上のようなイベントのうち、今後の人生でやりたいこと、必要だと思われることを取り出していきます。

2.3 ライフプラン作成のステップ

次に、実際にライフプランを作成していくプロセスをご説明していきます。

【自己分析】

まずは、これからの生活スタイルや重要なライフイベントについて考えていきましょう。「どのタイミングでリタイアするか」「退職金の使い道はどうするか」「老後は何を楽しみたいか」などの目標を明確に設定しましょう。確定ができなくても、今の気持ちに正直に考えることが重要です。

【収支状況の計画】

現在の収入と支出、今後の収入と支出を試算します。現在の収支は、家計簿やアプリを活用して計算してみましょう。将来の収入は、年金受給額の試算シミュレーターなどを使用して考えることができます。
支出を考える際は、日々の生活費の他に、住宅ローンの繰上げ返済や介護施設への入居、引退後の旅行など、まとまった支出が必要になる可能性がある事項があれば忘れずに洗い出してください。

【目標設定】

ここまでのステップで、「いつまでに」「いくら」の資金が必要かを数値化することができます。投資や資産運用、退職後の収入源などを具体的に検討し、これらを達成するための現実的な目標を設定しましょう。具体的な目標を持つことで、人生の後半に向けた貯蓄や収入計画についてのモチベーションを維持しやすくなります。

【柔軟性のある計画作成】

計画は一度立てたら絶対に変えてはいけないものではありません。自身の価値観や社会情勢の変化などに合わせて、定期的に見直すことが大切です。何年かごとにライフプランを見直し、必要に応じて修正を加えましょう。
家族がいる場合には、ライフプランを共有し、共通の目標として認識することも大切です。