公的年金は原則65歳から受給できますが、受給開始時期を60歳から75歳まで任意で変更できます。

年金制度への関心が高まる中、何歳から年金を受け取ればいいのか頭を悩ませる人も多いでしょう。

今年度退職を迎える人は、特に「受給開始年齢」をいつにすべきか迷うかと思います。

本記事では、繰上げ受給・繰下げ受給の魅力とデメリットをまとめて解説します。

60歳代の人は、何歳から受け取るのが自分に合っているのかを検討してみましょう。

1. 繰上げ受給の魅力とデメリット

原則として公的年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)は65歳から受給することになりますが、65歳より前に受給開始することを「繰上げ受給」、66歳以降から受給開始することを「繰下げ受給」といいます。

繰上げ受給と繰下げ受給にはそれぞれメリットとデメリットがあり、どちらを選択すればいいのかは、一人ひとりの状況次第です。

最初に、繰上げ受給の魅力とデメリットについて解説します。なお、老齢基礎年金と老齢厚生年金の一方のみを繰上げ受給することはできません。

1.1 繰上げ受給の魅力

繰上げ受給の魅力は、公的年金を早く受け取れることです。繰上げ受給によって、65歳前までの収入はアップします。

65歳より前に仕事をやめて収入がなくなった場合、生活費を年金で補うことも可能です。

また、元気なうちに年金をもらって趣味や旅行などを楽しみたいという人もいるでしょう。65歳を待たずに、お金を有効に活用できることが繰上げ受給の魅力です。

その他、病気などでお金がかかり、65歳まで年金を待てないという人もいます。がんなどの病気で70歳代前半までで亡くなった場合、早く年金を受給したほうが65歳受給開始より総受給額が多くなるというメリットもあります。