2. 会社員や公務員経験がある専業主婦は年金を多くもらえる

先ほどは、会社員や公務員経験がない国民年金のみを受け取る専業主婦の年金額を確認しました。

ただし、途中で会社員や公務員として働いた経験がある人は、厚生年金をもらえるため年金額は上乗せされます。

例えば、1975年生まれで20~23歳まで平均年収300万円で勤務、その後に結婚して専業主婦として生活した人がもらえる年金は月に約7万4000円です。

また、20~30歳まで平均年収350万円で勤務、その後に結婚して専業主婦となった場合はおよそ月8万5000円の年金を受け取れます。

このように、勤務期間や平均年収によって厚生年金は受給金額が異なります。厚生労働省の「公的年金シミュレーター」を利用すれば、勤務期間や平均年収、働き方を入力するだけで簡単に年金額をシミュレーションできるので、ぜひ参考にしてみてください。

3. 会社員や公務員の夫はいくら年金をもらえるのか

専業主婦は比較的もらえる年金が少ないため、年金収入は夫に頼ることとなります。

では、会社員や公務員として勤務し続けた夫はどの程度の年金をもらえるのでしょうか。以下の条件で、平均年収別に年金受給額(国民年金+厚生年金)をシミュレーションしてみましょう。

  • 1973年生まれ
  • 23歳から65歳到達まで会社員として勤務
  • 65歳から年金受取を開始

シミュレーションの結果は以下のとおりです。

平均年収ごとの目安年金受給額(額面)

平均年収ごとの目安年金受給額(額面)

出所:厚生労働省「公的年金シミュレーター」を基に筆者作成

3.1 平均年収ごとの目安年金受給額(額面)

  • 平均年収 年金受給額の目安(額面)
  • 200万円 月10万7000円
  • 300万円 月12万7000円
  • 400万円 月14万2000円
  • 500万円 月16万2000円
  • 600万円 月18万1000円
  • 700万円 月19万7000円
  • 800万円 月21万3000円
  • 900万円 月23万4000円

平均年収900万円で働いた場合、月23万4000円もの年金を受け取れます。

会社員や公務員経験がない専業主婦の年金額と合わせると、月に約30万円もの老後収入を得ることが可能です。月30万円あれば、年金だけで老後生活を過ごすことも可能でしょう。

一方で、平均年収300万円の場合に受け取れる年金は月12万7000円です。会社員や公務員経験がない専業主婦の年金額と合わせて、月19万円程度の収入となります。月19万円で夫婦生活を送るのは、やや難しいかもしれません。