年金受給額の平均は厚生年金が月額14万6429円、基礎年金が月額5万7584円です。会社員や公務員だった人は厚生年金が受け取れますが、自営業やフリーランス中心で年金以外に備えをしていなかった人は、月額5万円台と少ない年金で老後をやりくりしなければなりません。

私たちが生活に苦しむ際のセーフティネットに「生活保護」があります。年金月額5万円台の場合、生活保護は受給できるのでしょうか。この記事では、生活保護の受給要件や申請方法を解説します。

生活保護の制度をおさらい

生活保護は、生活に困窮する人へ必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立を助長する制度です。支給される保護費は、住んでいる場所や世帯を構成する人数で変わります。

生活保護8つの扶助

生活保護8つの扶助

出所:厚生労働省「生活保護制度」をもとに筆者作成

  • 生活扶助:日常生活に必要な費用(食費・被服費・光熱費等)
  • 住宅扶助:アパート等の家賃
  • 教育扶助:義務教育を受けるために必要な学用品費
  • 医療扶助:医療サービスの費用
  • 介護扶助:介護サービスの費用
  • 出産扶助:出産費用
  • 生業扶助:就労に必要な技能の修得等にかかる費用
  • 葬祭扶助:葬祭費用

生活保護の各種扶助は、最低生活費から収入を差し引いた差額が保護費として支給されるのが原則です。たとえば、最低生活費が10万円で収入が月8万円の場合、支給される保護費の金額は2万円となります。

生活保護「保護費」の考え方

生活保護「保護費」の考え方

出所:厚生労働省「生活保護制度」

次章では、生活保護の受給要件を確かめながら、年金月額5万円の人が生活保護の対象となるかどうかを解説します。