2.5 老齢年金生活者支援給付金の受給

年金受給額の少ない住民税非課税世帯は、老齢年金生活者支援給付金が支給されます。受給要件は、以下のとおりです。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者である。
  • 世帯全員が市町村民税非課税である。
  • 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後生まれの人は78万9300円以下、昭和31年4月1日以前生まれの人は78万7700円以下(※2)である。
    ※1障害年金・遺族年金などの非課税収入を除く。
    ※2昭和31年4月2日以後生まれで78万9300円超〜88万9300円以下である人や昭和31年4月1日以前生まれで78万7700円超〜88万7700円以下である人には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される。

そして、支給金額は以下のとおりです。

老齢年金生活者支援給付金

老齢年金生活者支援給付金

出所:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」をもとに筆者作成

老齢年金生活者支援給付金

  • 以下の計算式で算出した金額の合計額
    ・保険料納付済期間に基づく額(月額) = 5450円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月
    ・保険料免除期間に基づく額(月額)= 1万1551円 × 保険料免除期間/ 被保険者月数480月

補足的老齢年金生活者支援給付金

  • 5450円×保険料納付済期間 / 被保険者月数480月×調整支給率(※)

※調整支給率は以下のとおり
・昭和31年4月2日以後生まれ(88万9300円-前年の年金収入金額とその他の所得の合計)÷10万円
・昭和31年4月1日以前生まれ(88万7700円-前年の年金収入金額とその他の所得の合計)÷10万円

上記の金額が、毎回の年金と同じタイミングで支給されます。実質的な年金の上乗せを受けられるため、所得が少ない住民税非課税世帯にとっては貴重な給付となるでしょう。

3. まとめ

65歳以上のシニア世代は、公的年金等控除額が最低でも110万円と大きいため、住民税非課税世帯になりやすいです。

非課税になれば、給付や優遇措置により安心して医療や介護を受けられます。制度をフルに活用して、食費や光熱水費といった生活費の支出に年金や貯蓄を充てましょう。

参考資料

石上 ユウキ