3. 「必要な備え」とは

老後に向けて備えたいと思っても、具体的に何をすればいいかわからない人もいるかもしれません。ここからは、老後に向けて必要な備えを3つ紹介します。

3.1 老後に必要な金額をシミュレーション

まずは、老後に必要な金額をシミュレーションすることが重要です。

自分の世帯が老後にいくら年金を受け取れるのか、生活費がどのくらいかかるのかをシミュレーションしてみましょう。

年金受給額は日本年金機構の「ねんきんネット」を利用すれば、今までの年金記録を基に受給見込額を知ることができます。

毎月の年金見込受給額から想定生活費を差し引ければ、不足するお金がわかります。もちろん寿命は事前にわからないため、老後に必要な金額を完璧に把握することはできませんが、ある程度の見込みは立てられるでしょう。

3.2 日々の節約

老後に必要な金額をシミュレーションできたら、それに向けてお金を貯めることが重要です。

日々の節約を始めましょう。特に意識したいのが固定費です。携帯料金や新聞代、保険料、アプリのサブスク料金、ジムやヨガの月額会費などは一度削減できれば、継続して節約が可能です。

月5,000円の固定費を削減できれば、年間6万円、10年間で60万円もの節約となります。まずは、節約できる固定費がないかを確認してみてください。

3.3 資産形成の開始

節約ができたら、そのお金で資産形成を始めてお金を増やしましょう。株式や債券などに投資することで、長期的な資産増加を狙います。

現在はiDeCoやNISAなど、個人がお得に資産形成をできる制度もあります。

たとえば、iDeCoを使えば投資で得た利益が非課税になることに加え、掛金が全額所得控除になるため節税も可能です。

資産形成の開始

資産形成の開始

出所:iDeCo公式サイト「iDeCoってなに?」

投資なのでリスクもありますが、余裕資金で投資を始めて、少しでもゆとりのある老後を目指してみてください。

4. 老後破産を避けるために行動しよう

本記事では、老後破産を避けるために、年金のリアルと必要な備えについて紹介しました。

老後破産を避けるためには、計画性が重要です。なんとなく老後に備えたいと思っても、重い腰はなかなか上がらないでしょう。

本記事で紹介したとおり、まずは自分が老後に必要となる金額をシミュレーションすることから始めましょう。具体的な金額がわかれば、危機感が生まれて節約や資産形成を始められるかもしれません。

参考資料

苛原 寛