4. 会社員の退職金事情「勤続年数や学歴」で退職金はどう変わる?

老後の貯蓄状況に大きな影響を与える要素の一つとして、「退職金(退職給付)」が挙げられます。

ここでは、厚生労働省が発表した「令和5年就労条件総合調査概況」をもとに、定年退職者一人あたりの退職給付額を、学歴や勤続年数別に見ていきます。

4.1 定年退職金の平均額を確認

退職給付(一時金・年金)制度の形態別定年退職者1人平均退職給付額(勤続 20 年以上かつ 45 歳以上の定年退職者)

退職給付(一時金・年金)制度の形態別定年退職者1人平均退職給付額(勤続 20 年以上かつ 45 歳以上の定年退職者)

出所:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査概況」

大学・大学院卒(管理・事務・技術職):調査計:1896万円

  • 20~24年:1021万円
  • 25~29年:1559万円
  • 30~34年:1891万円
  • 35年以上:2037万円

高校卒(管理・事務・技術職):調査計:1682万円

  • 20~24年:557万円
  • 25~29年:618万円
  • 30~34年:1094万円
  • 35年以上:1909万円

高校卒(現業職):調査計1183万円

  • 20~24年:406万円
  • 25~29年:555万円
  • 30~34年:800万円
  • 35年以上:1471万円

※上記の退職給付額はいずれも、「退職一時金制度のみ」「退職年金制度のみ」「両制度併用」の計です。

令和5年の調査によると、退職給付制度を導入している企業の割合は全体で74.9%となり、平成30年の80.5%から5.6ポイント減少しています。

企業の規模別では、以下のような傾向が見られます。

  • 1000人以上:90.1%
  • 300~999 人:88.8%
  • 100~299人:84.7%
  • 30~99人:70.1%

定年退職金は、企業の規模や勤続期間によって大きく変動するため、老後の生活設計に必ずしも当てにできるものではありません。

そこで次に、より安定した老後の収入となる「公的年金」について詳しく確認していきましょう。