総務省が2025年4月25日に発表した4月の東京都区部の消費者物価指数(CPI、中旬速報値、2020年=100)によると、変動の大きい生鮮食品を除く総合が110.0と、前年同月比で3.4%上昇しました。
都区部の中旬速報値は全国の先行指標とされています。価格の高騰は全国共通の悩みとも言えます。
物価の高騰により日々の生活費がかさみ、資産が目減りしている家庭が多いのでは、と感じている方も多いかもしれません。
しかし、全世帯の資産を調査した結果を見ると、実は純金融資産1億円以上の「富裕層」と呼ばれる世帯が増えていることがわかりました。なぜこのような状況下で富裕層が増えているのでしょうか。
今回は、富裕層と呼ばれる世帯数や、筆者が富裕層の方々と接する中で気づいた、彼らの特徴的な行動や習慣についてご紹介します。
1. 日本に「富裕層」はどのくらいいるのか、「富裕層とは何か」を知る
まずは、野村総合研究所(NRI)が2023年3月に発表した資料をもとに、「富裕層とは何か」について定義をみていきましょう。
1.1 純金融資産の計算式
世帯の保有する金融資産(預貯金・株式・債券・投資信託・保険など)の合計額からローンなど負債を差し引くと「純金融資産保有額」を割り出すことができます。
純金融資産=金融資産(預貯金・株式・債券・投資信託・保険など合計金額)ー負債(ローンなどの合計金額)
この純金融資産保有額をベースに総世帯を5段階にランク付けしたものがマーケットの分類になります。5つの階層の定義と、各層における世帯数・保有資産は以下のとおりです。