4. 老後、年金額を増やす3つの方法とは
将来受け取る年金が少ないことに不安を感じている人も少なくないでしょう。実際、月10万円に届かない年金生活者は決して珍しくありません。
「自分はどれくらいもらえるのか知っておきたい」という方は、「ねんきんネット」や毎年届く「ねんきん定期便」を活用して、早めに確認するのがおすすめです。
そして、もし見込額が想定よりも少ない場合は、現役のうちに実行可能な対策を講じることで、将来の年金額を増やすことも可能です。
以下では、年金額を増やすために検討しておきたい3つの手段を紹介します。
4.1 厚生年金保険に長く加入する・年収を上げる
厚生年金の支給額は、加入期間と年収に大きく左右されます。現役時代の年収が高いほど納める保険料も多くなり、その分年金額も増えます。
また、加入年数が長くなればなるほど年金額が積み上がる仕組みになっているため、現役時代の空白期間などがなく、長期間にわたって厚生年金に加入することが重要です。
4.2 国民年金の未納分を納める
国民年金には「保険料納付済期間」や「免除期間」を合計して10年以上ないと、将来的に年金を受け取ることができません。
たとえば9年11ヶ月しか納付していなければ、年金は一切支給されないため、たった1か月の不足でも「払い損」となる可能性があります。
未納期間がある場合は、追納制度を活用して納めておくことで、将来の受給資格や年金額を確保できます。
また、国民年金のみに加入している人は、「付加保険料」や「国民年金基金」を活用することで、老後の年金額を自分で上乗せする選択肢もあります。
4.3 繰下げ受給の利用を検討する
年金は65歳から受け取るのが一般的ですが、希望すれば最大75歳まで受け取りを遅らせることができます。
この「繰下げ受給」を利用すると、1か月繰り下げるごとに年金額が0.7%増加し、最長で84%の増額が可能です。
たとえば65歳で受け取る予定の年金が月10万円だった場合、75歳まで繰り下げることで約18万4000円に増える計算になります。
ただし、その間は一切年金を受け取れないため、生活費を賄うための別の収入源や貯蓄の確保が必要です。